Let Me Tangle In Your Vine

Yank Rachell


2004-04-16 SAT.
昨年の12月 7日には Hobo Bluesを採り上げた Yank Rachell(音楽業界では Rachel と、最後の「l」がいっこ足りないので通用してるようですが、正しくは「l」ふたつ)が、1960年代から関係のあった Delmark に吹き込んだもの( Chicago Style Delmark 606 1987年)で、イントロからマンドリンの独特な響きが(時として隣家が軒下に釣るしっぱなしで耳障りな音を鳴らしっぱなし、みたいな「同じ音」が聞こえるのは奏法のモンダイか、あるいは楽器の特質によるものでしょか?)、ちょっと「そこらの」ブルースとはちゃう、ってえ違和感をたたえつつも強引に浸透して来ます。

Odie Payne のドラムなど、きわめて良くコントロールされた「気を充分に配った」演奏をしておるのでございますが、マンドリンが、まるで「親の仇」みたくカキ鳴らされておるところが、その「強引な」っちゅう印象を招く原因になっておるような気がいたします。
どうしても、ありふれた楽器じゃないのでブルースやる、となると、ついつい「その部分」を強調してしまうのはいたしかた無いんでしょうね?

作品の完成度よりも、そういった「目につきやすいところ」をメインにしたほうが「売りやすい」ってのは、まあ、これも商売なワケですから非難するにゃあたらないのかもしれませんが、もう少し控えめな、「ん?ちょっと変ってると思ったら、これマンドリンなのね!」って程度の方がワタシゃ好きだな。
それは「ブルースでヴァイオリン」なんてえのにも見うけられますが、こと Gatemouth の場合は、プロデュースがどうこう、ってよりジジイがやりたいことやってる、って感じなんで「お手上げ」なんですけどね。
Clifton Chenier のアコーディオンだって、ザディコとしてより、あれでブルースやっちゃう、ってえ話題性が確かにセールスにゃあ効いてるんでしょうか。ま、そのおかげでザディコに親しむひとも増えてくれた(ハズ?)みたいなんでいいんですが。

と、そんなことはともかく、カンジンのこの曲ですが、多少マンドリンの「ある音」だけが耳につくのを除けば、なかなか伸びやかなヴォーカルで、独特な存在感を持っています。
ベースは Floyd Jones、ギターが Pete Crawford。
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