You're Breaking My Heart

Otis Rush


2004-05-07 FRI.
オープニング、ああ、まさに Otis Rush のスロー・ブルースの「入り」だ!
1975 年の 4 月29日と 5 月29日に録音された、6 分を越える長い曲が 7 テイク(うち最長はこの曲の別テイクで、8'31" )も入ってるという、彼のスロー・ブルースをコッテリと味わいたい、つーひとには最適(?)のアルバム Cold Day in Hell でございます。

んなワケで(?)イントロもいつもよりタップリと回しておりますよ。
この Otis Rush、ワタクシのまわりじゃあ、熱烈に愛されてたり、かと思うと対称的に「冷淡な」お方もおられまして、ケッコー「好き嫌い」が別れるのかもしれませんね。
ワタクシはもう、Ann Arbor での「後半グズグズじゃん!」なんて言われたりするあの Gambler's Blues ですら大好きでございますから、この曲みたいにバッキングにも乱れがなく、クールにじっくりと攻め上げた(?)フィニッシュにモンクなどつけようもなく、ただひたすら彼の、澄んだ水の中で身を翻すヤマメの輝きにも似た(?)そのギターの「光」をウットリと眺めておるのでございます。
バッキングは Abb Locke のテナー・サックス、Chuck Smith のバリトン・サックス、Mighty Joe Young のギター、キーボードは Big Moose Walker で、ベース James Green(他にも Buster Benton やウルフ、 Hubert Sumlin でもベースを弾いています)に Jesse Green(これって 1937 年 8 月23日 Jamaica は St.James 生まれのドラマー Jesse Lewis Green?)のドラム(この両 Green ってどーゆうカンケイ?って調べてみたんですが、James のほーの出生地が不明だし、そこらを明記してる資料にも出会わず「お手上げ」です。でも、あちこちのオン・エア・ボードで見る限り、出演:Mighty Joe Young & James Green with Otis Rush Band、などとなっており、ブルース界での知名度では James がどうやら一枚上手?)。

ま、Otis Rush に関して言えば、ワタクシにとっては、しょーじき、彼のヴォーカルより、彼のギターの方に「やや」比重が偏っているのは事実です。
とは言え、決して彼のヴォーカルを軽視しておるワケではなく、その閉塞感のある(?)テクスチュアのある歌は、やはり彼ならではのプレゼンスに溢れています。
難(?)を言えば、ワタクシにとっては、彼のギターがあまりに大きすぎて、どしてもそっちに目が(ってホントは耳が、なんですけど)行っちゃうってことなんですよ。

特にレフティならでは(と勝手に思い込んでる?)の独特の指グセとも思えるフレージングのユニークさなんて、右利きのギタリストじゃあ意識してドリョクしないと再現できないよな「突起」としてアクセントになってるよーに思うんですが、それも織り込んだ Rush 節(?)の、まるで自分の内面に目を向けているような切り込んでいくギターは、もはやブルース界でカンゼンな独立峰として屹立しているのではないでしょうか。

ワタシ自身について言えば、別に論評するに足るギターを弾くとは思ってはおりませんが、それでも型どおりのブンセキをいたしますと、あまり直接的な影響は多くないように思います。やはりレフティならでは(じゃないか?と思っているんですが・・・)の独特な指のまわしなんて、あ、カッコいい!と思ってもなかなか採り入れるのが難しいんですよね。
コピーじゃなく、「あの感じ」を、と思っても、どーもワタクシの指には、とっても不自然なようで、ムリにやろうとしてもスムースにまわってくれません。

それがはたしてホントにレフティとそじゃないギタリストの間にある「困難」なのか、あるいは単にワタクシの指グセと「相容れない」ことによる「相性」のモンダイなのかは、左利きのギタリストで Otis Rush 大好き、なんてのが周囲にいないので検証のしようがございません。
だいたい左利きでギターとなったら Jimi Hendrix 目指しちゃいそでしょ?次が Albert King かな?ま、松崎しげる以下ってこたあないでしょが、Otis Rush はあまり優先順位が高くないよな気がします。

同じように左利きといっても、Albert King のほうがクセが強いよな気がしますが、そこらどーなんでしょ?そー感じてるのはワタシだけ?
ま、それがどーした、ってえワケじゃないんですがね。あたしゃあ右利きだし。
permalink No.743

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