Elmore's Contribution To Jazz

Elmore James


2004-05-12 WED.
いやはや人を喰ったタイトルですよねえ。
「エルモアにおけるジャズへの貢献」なんちて、いったいダレがこんなタイトルつけたんですかねえ?
しかも、この曲ってのがまあ、どこがジャズなんざましょ?ってなスライド・ワークが、なんだかとっても気分良さそに続いてるだけ、っちゅうスっとぼけぶり、実に「いい」ですねえ。
なんだか、ワタクシの中にある「ジャズ」の概念にはどーやっても収斂してかないよな「すんばらすぃ」演奏で、それだけにこのタイトルとの落差(?)がステキ。

ブルースってさあ、その「あり方」自体にちょっと「おちゃらけ」が入ってるよな気しない?
特にあの Boogie Woogie Piano なんて聴いてると、そのピアノの弾き方そのものがコミカルでしょ?それに、一見「じっとり」っちゅう「こてこて」のスロー・ブルースでも、どっか「くすぐり」がヒソんでるよな気がすんのよねー。

だから、曲のタイトルにしたって Hound Dog Taylor の Give Me Back My Wig なんて「そっち」のひとにとっちゃあ笑い事じゃあないんでしょうが、なかなかダイタンな着眼点(?)で楽しいざます。似たようなタイトルで Cleanhead's Blues ってのもありますよねえ。こっちはもう見れば判るだけにヨケー「ウケ」そうですが。
そして、そりゃキミィ別な意味でそーじゃろ、ってのが Lightnin' Hopkinsの A Man Like Me Is Hard To Find なんてタイトル。
他にも Every Time I Get Drinkin' とか Sloppy Drunk なんて「へべれけ」ネタ、別方面じゃ When Girls Do It や Gangster Of Love なんてえとこがスグに思い出されます。

ま、タイトルはシリアスだけど、歌に入るとおちゃらけてるってのもイッパイあるし、逆に Albert Collins の Too Many Dirty Dishes みたいにコテコテの「ど」スロー・ブルースなんだけど、内容的にはケッコウ笑えるジョーキョー(てワシだけかもしんないけど)なんてのもあって、ま、つまりナニが言いたいのか、ってえと、「ブルース」には「おちゃらけ」の要素がつきものなのではないか?ってことざんす。

ワタシの場合、先に Albert King の Blues Power を聴いてショックを受け、ホンモノの黒人のブルースにハマってしまって「から」、バターフィールドやブルームフィールド、メイオールなんて「世に言う」ホワイト・ブルースを聴いたんですが、そのどれを聴いてもなにかしら「決定的なファクター」が抜けてるよーな気がして、どれも好きになれませんでした。
やがて、長いことブルースを聴いているうちに、それがその「おちゃらけの精神(?)」の欠如なんじゃないか?ってえ気がしてきたのですよ。
特にその思いは Buddy Guy や Clarence Gatemouth Brown のライヴに触れて、いっそう強くなっていったみたいですねえ。

そのどちらも、演奏中にちょっとしたギミックなど織り込んだ際に、「ねえねえ、イマの判った?」っちゅう目を聴衆に向けて「共犯者」のカンケイを成立させてるように感じませんか?
その、「あんたも好きねえ」シチュエーションを基本においてるかどうか、がホワイト・ブルースの「欠けている」ところのような気がしますね。ワタシには。
なんてゆうと、熱烈なファンから彼は違う!なんてえ身びいきなゴタクが寄せられるかもしれませんが、そりゃあ「おちゃらけ」をどーとるか、の解釈の違いでしょうなあ。
それにはホントの黒人のブルースを聴き込んで(っつーより、聴き込めるほど好きになれないひとにゃあ、そこ、永久に判らんでしょが)、その違いを「あなたの言語で」識別していただくっきゃありませんです、はい。
で、その違いが判ったら、ワタクシはその「黒人のブルース」の側が好きなんだ、ってえことをご理解いただければ充分でございます。なにもアナタにも「そーなれ!」、とは申しませんので。

ただ、ホワイト系に不満だ、っちゅうワタクシの中にも例外ってのはありまして、唯一、Elvin Bishop ちゃん、彼にはそれに近いものを感じます。だからホワイト・ブルース一派にくくられそーな中でも、彼のだけはアルバム、何枚も持ってまっせえ(バターフィールドはハープで参加してるのだけ、ブルームフィールドやメイオールは「皆無」です。一度は買ってるんですが好きになれなかったんで売り払っちゃった)。
もっとも、その Elvin Bishop も「ブルース」としてじゃなく、とっても耳に快い「ブルース系のロック」として愛しておるのでございますが。

あれ?なんだか Elmore からちょっと離れちゃいましたねえ。
ま、いっか。
permalink No.748

Search Form