Live Review

Edogawa Slim


2004-05-28 FRI.



今日の日記はいつもとちゃいます。
でも、これも「今日のブルース」なのだ。
書いてるワシがそー決めたからそーなのじゃ!

今回の Japan Blues Carnival 2004 については、実に多くのひとが、あちこちの板にそのインプレッションを書き込んでおられますよね。
そのどれもが、ほんとうに強い印象を受けた様子が窺えて、それだけに思い入れなどに彩られており、遠い弘前から想像するしかない身としては、それらの断片から Otis Rush の体調や回復の度合いなどをなんとか掴もう、とあがいておりました。

そんな中、ついに「決定版」とも言うべきレビューが登場いたしました。
それが表題の、江戸川スリムさんによるインサイド・レポートです。
Japan Blues Carnival 2004

Chicago のブルース・シーンとは強いつながりを持っている彼だけに、普通では踏み込めないブルースマンの日常的な側面にまで目が届いてて、単なるライヴ・レポートとはまったく違った位相を獲得しています。
もちろん、いつも交流している方たちはとっくにお読みになっておられることと思いますが、まだ、という方にはゼヒとも読んでいただきたいのです。

まず、今回、Otis のサポートに徹していた Carlos Johnson との「呑み」の話題に始まり、Otis のこと、彼自身のこと⋯あくまでも他者としての視点から迫る雑誌などのマスコミの取材では到達し得ないようなナチュラルな内面にまでその筆は(って Apple だからキーボードは、でしょか?)及んでいます。
焼き鳥を一緒に楽しみ、友人としての会話が描いて行く、ホントに自然な Carlos Johnson の姿。いまだ公表するには時宜を得ていないエピソードの数々は伏せたまま、話は 22 日の Otis へとつながっていきます。

野音での Otis 登場のシーン、心配していたブーイングも無く、暖かい拍手に迎えられて発した、最初のひとこと「 Thank You 」。
ワタシはその音のほうしか聴いていないのですが、このひとことで、彼の体調が決して良くはないこと、しかし、それを上回る「来たかったんだ」という彼の意志の力が聴きとれたように思えたのですが、それは気のせいでしょうか?
ワタシが普段お邪魔しているサイトの大半は、とても好意的で、良く来てくれました!みたいなスタンスの論調が多かったんですが、辺縁系(?)つーか、ロックに軸足を置いて、ブルースにも片足を、って感じのサイトでは、「主催者側が、そのことを伏せて強行したのはけしからん」とか、「あんな姿は見たくなかった」、「もっとバリバリのブルースのライヴが見たかった」などという声も散見されます。

Otis に別になんの思い入れも無い人たちにとっては「行って損した」という程度のことでしかなかったのか?と悲しくなりましたが、そんな虚しい想いも、この江戸川スリムさんのレポートで「救われ」ました。
このレポートに合わせて音を聴いてゆくと、なるほど、これをヒドい、という気持も判るけど、All Your Love での Otis の積極的な「歌おう」とする意欲が、鬼気迫るほどに感じられて、もうどうしようもなく胸が詰まります。剥き出しのココロがそのままストレートに響いてきて⋯いえ、ヘタな解説なんてヤメましょう。コトバなんかでは「逃してしまう」ものがあって、しかもそこにこそ大事なものが潜んでいそうです。
ワタシにはこの日の彼の歌が「もうダメ」じゃなく、復活への強い意志に貫かれているように思えました。

そして 23 日のレポートでは、渡したブレスレットをつけて写真におさまってくれた Otis 本人やその奥さんとの会話、ステージ前の様子など、読んで行くうちに、最初はまだあった不安も、きっとカムバックしてくれる、という確信に変わっていきます。
江戸川スリムさん、ホントにありがとう。
こんな素晴らしいレポートはあなたにしか書けません。

★今日の午後は BLUES'N でダディ正井と一緒にまた聴いていました。
やはり Carlos Johnson の Otis への想いが、そのまま音になってますよね。
なんて話をしながら聴き終わったとこで、ダディ正井が、これ聴いたことあります?と出してきてくれたのが、これまた、えどすりちゃまの言ってた Valerie Wellington のあの曲(!)じゃーないの!うひうひ、よーやく聴くことができましたよ!
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