Two Headed Man

Lonnie Brooks


2004-05-30 SUN.



Mojo Hand やら Black Cat Bone なんてえ縁起モノが次々歌詞に登場いたします。
Going Back To Louisiana、とちゃんと、Lightnin' の Mojo Hand に敬意を払って(ホントか?)ますが、音的にはかなりロックっぽい作りとなっておりますよ。

とは言っても途中の Tom Giblin のハモンドによるソロあたり、まるっきりロックっぽくないんですが、ギターがかなりハード寄りでございまして、またその扱いもヴォーカルに対するアンサーっちゅうよりも、独立した人格を持って(あ、ギターにゃ人格は無いか?)サクレツしたりしております。
1987 年の11月 5~6 日にかけて、シカゴの B.L.U.E.S. でのライヴを収録した Live From Chicago の一曲目でございます。
アルバム・ジャケットで見る限り(角度があまり良くなくて、ヘッドのロゴが見えないんだけど)ストラト・タイプのソリッド・ボディのギターにヘンなオーヴァー・ジャケット被せたよなアヤしい(?)のを弾いてます。
ヘッドのシェイプだけから見ると、Sur に似てるけど、どうかなあ?
ただし、Buddy Guy's Legend でオーナーの Buddy Guy と共演したときの画像ではブラック・ボディにローズ・ネックの「フツーの」ストラトに今度は(ジャケは赤系)青いオーヴァー・ジャケットってのを弾いてます。
他には Hammer(だと思う、たぶん)の P.R.S みたいなボディのとか、サンバーストの ES-335 を弾いてるシーンも見ました。そして、状況がイマイチよく判らないのですが、白いストラトでローズネックのストラトにこれまた黒いオーヴァー・ジャケットをかけた(息子か?)のと、自分の青いオーヴァー・ジャケットをかけたのが二本とも体の前にあって二人羽織ジョータイ(?)になっちょる画像には目がテンになりましたが。

Lee "Lonnie Brooks" Baker Jr.は 1933 年12月18日に Louisiana 州の Dubuisson と呼ばれた小さな農場で生まれています。17 才まではそこで暮していたようですが、彼の子供のころに触れた資料は発見出来ませんでした。
やがて彼はLouisiana 州の南部に移動したようですが結婚したのを機に Texas 州 Port Arthur に移り、そこで職につくことが出来たので、ギターを買った、といいます。したがって、彼が本気でギターを弾くようになったのはこの Texas 州 Port Arthur に来てからで、20 才を過ぎていました。
しかし、本気になってからは、B.B.や Long John Hunter のギターをむさぼるようになぞっていたもののようです。
やがて彼はつい先日の Zydeghost の C. J. Chenier のとこでもとーぜん出てきた Clifton Chenier のバンドと関わるようになりました。
ただし、彼はまだ Day Job 無しでは暮してゆけず、Clifton Chenier が Specialty との契約で録音のためウエスト・コーストに行く、という際に彼は同行することが出来ず、そこでシェニエとの縁も切れることとなります。

この頃の彼はザディコからロックン・ロールまで、かなり広いゾーンをこなしていたようですが、1950 年代後半にはローカルなスケールながら、そこそこの商業的な成功もおさめていました。
その彼がブレイクしたのは 1957 年、Lake Charles で Eddie Shuler の Goldband Records に吹き込んだ Family Rules からで、続いては Guitar Jr.の名義で、同じく Goldband に入れた The Crawl(後に the Fabulous Thunderbirds によってカヴァーされています)は Goldband が多少潤う程度の成功はおさめたようです。

やがて彼は Sam Cooke のオファーを受けて、そのバックとして演奏するために Chicago に向かったのですが、そこには当時すでに Guitar Jr.として名を知られていた Luther Watson(また違う資料では Luther Johnson となっていますが、ワタクシ不勉強のため、そのどちらもよー判りまへん)がいたために、彼はその芸名を放棄し、新たに Lonnie Brooks を名乗るようになった。とされていますが、なんで Lee Baker Jr.じゃダメだったんでしょ?で、なんで Lonnie Brooks なワケ?っちゅうワタクシのギモンには、彼自身がインタビューで答えています。Brooks というのは彼がまだ 4・5才だったころ、生活に疲れてた母に代わって彼の面倒をみてくれた Bertha Brooks という親切な女性がいたので、その恩返しの意味と、子供時代、母に Little Lee と呼ばれると、半分、非英語圏みたいな(つまりクレオール文化っつーことでしょうか?)そのヘンじゃ、子供たちがそれをマネて言うと Lee Lee になり、それが Lenny になったらしいのですが、彼はそれがイヤでしょうがなく、自ら Lonnieを選んだんだ!だそうでございます。

ま、それはともかく、USA や Cherub などという小さなレーベルに録音し(ケッキョク初吹き込みは不明ですが)、1967 年には Chess で Let It All Hang Out というヒットもあったようですね。
この辺りでは、ソング・ライターとして Lee Baker の名を、と使い分けしていたとか。

1978 年に Living Blues 選、という形で V/A に参加した Lonnie Brooks は Alligator の目にとまり、翌1979年にはデビュー・アルバム Bayou Lightning がリリースされています。

最近じゃ息子の Ronnie Brooks Jr.(ややこしかー!)とも共演したりしてますねえ。
にしても、あのギターに被せたカヴァーみたいの、あれ、いったいナンじゃろねえ?

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