Same Old Blues

Freddie King

2004-06-26 SAT.




実はこの曲、某関西ローカルがひところ作ってた「Roots」とかってえブルース関連の(ちょと「ブルースの」、と言い切るには躊躇させるものがあるので)番組でエンド・ロールだったかに流れてて(唄ってたのはニホンジンだったと思うけど)、そのいささかオーヴァーで「思わせぶり」な作りに「なんだかなあ」と思ってた記憶があります。
ま、元ネタの Freddie King のだって多少、そんな傾向はあるんですが、歌詞の発声に不自然な「粘り気」が無いぶん、よりメンタルな(?)方向に深いよに思いますね。

曲の構成は、いわゆる Person To Person スタイルと言えないこともないのですが、細かく見るともっと悪質(!)で、キーである E から A♭→ C#m→ E7 っちゅーとこがカギでございましょう。言わば、この部分をいっちゃんコネくりまわしたのがこの曲、と言えるかもしれません。
続く部分は A と Edim と行くのですが、ここを A→ Am とした Guilty なんかも隅におけませんよね(あれ?同じよな構成の曲、なんか最近あったよな気がすんなー、なんだったっけ?)。で、ちょっと脱線しちゃうけど、Guilty じゃ、案外ブルース・ブラザースのも好きなんですよ。
いかにもクラブの片隅なんぞで、ピアノひとつをバックに、じっくりと唄ってるふうでさ。

ただ、ワタシが最初に聴いた Guilty は確か Jimmy Witherspoon のだったと思うんですが、そのアナログ・ディスクがコツ然と姿を消しちゃっておりますゆえ、確かめようがございません。たぶん誰かに貸したか、あるいはワタクシのカン違いで、誰かから借りてきたアナログ・ディスクで、それを返しちゃっただけかも〜。

で、この Same Old Blues とも Guilty ともまたちょっとちゃう、Person To Person 系、ただしサビ無し、ってのが久保田麻琴ちゃんの「河を下って」( Sunset Gang )って曲ね。
これはとめごろおさんと二人でやってたアコースティック・ブルース・デュオでやってみたこともある「思い出(?)」の曲なのでございます。

このテのコード進行の曲、やりたいのはあるんですが、ザンネンながら、どれにしても、一度でもこのタイプの曲をやったことがあればなんとかなるけど、そじゃないひとたちとはセッションできないんだよね。なははははは



さて本日は地下鉄を使って麻布十番にやってまいりました。
まったくの「知らん街」ですからキンチョ〜もすっけどワクワク!でもありますねえ。
当初は同じ麻布十番でも地下鉄からスグの永坂更科を想定しておったのでございます。
しか〜し現地について「この目で見た限り」入り口の内側には「お待ちのお客様」の行列が見えておりました。
わっ、これでも時分どきをハズして来てるんだがなあ。
そこで一瞬迷ったものの、よしっ、ほな、よりディープな(⋯つまり麻布十番温泉の先にある、っちゅうそれだけのイミ)更科堀井にしよ、とココロ替わり。
ま、こんなことゆうたらなんやけど、お待ちになっておられる方々の様子が「ちと」ナンでございまして、その同じとこで待ってるのもヤだな、って雰囲気だったから、が真相なんですけどね。ゆるい上り坂をダラダラ歩いてったらありました。更科堀井。
着いてみると、こちらも、やはりだいぶ待ってるようだけど、でも、またあっちに戻るのもな~、とケッキョクこちらに入ることにいたしました。
かなり広めの店内は空席のひとつも無く、待ってるのが三組ほど。
さすがに喰い終ってるのにダラダラとしゃべってるよなトンチキもおらず、皆一様に、「まだかな~」っちゅう表情をしてますねえ。ん?なんでじゃ?と思ったら、奥の座敷に黒の喪服の一団がまとまって食事をしておるではないの。ハハ~ンコイツらのせいで、他のオーダーが遅れてくさるんだな?
ま、それでも次第にオーダーに追いつき始め、ほどなく、「お一人さま、カウンター席へどうぞ」てなワケで席につくことが出来ました。
更科堀井ではツユが二種用意されててツユの入った蕎麦徳利が二個運ばれてまいります。それが噂の(?)甘口ツユと辛口ツユの二種らしいんすね。
続いて出てきた蕎麦は見た目、やや浅黒く、心持ち「太いかな?」って感じですが、キレイにエッジの利いた裁ち落としぶりで、決して無自覚な「在り様」ではなさそうです。
実際、これがまた食べてみると、その存在感のある蕎麦自体に、甘口のツユとても、決して負けるワケではなく、独特の蕎麦自体の丸みとあいまって、いやあ、なかなかいい味でございますよ。
都内では他にも一応有名らしいK町のC庵などで落胆したこともありましたが、ここは「来てよかった」のほうでしたね。ここなら「とめごろおさん」も連れ行きたい!
さて、味に満足して席を立ち、勘定を済ませた際に、お店の女将さんらしき方から「お待たせしてしまい済みませんでした」と丁寧に挨拶されて、いささか驚きました。
あの程度の待ちは当たり前だ、イヤなら帰れ!と言わんばかりの某・行列の出来るラーメン屋に見せてやりたかったねえ。
客が押しかけて来ても「いい気」にならず、それどころか、お客さまに不快な思いをさせたのではないか?と気を遣う。
経営者としての矜持を見た思いがいたしました。
さすが、トーキョーという多様性社会にあっては「磨かれ方」も違うのかもしれない、と感心いたしましたよ。 地方で「おもてなしのココロ」なんて言うのはカンタンですが、そうゆうのって「底が浅い」んだよね。 もう「深さ」が違います⋯

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