Ting-Tang-Tagalu

Jerry McCain


2004-07-11 SUN.

軽やかなブーギのリズムで始まるオーソドックスなナンバーかと思いきや、ヴォーカルが始まると、ズっこけます。
え?なんでか、って?そりゃもう聴いていただけばすぐ判るのでございますが、I met the girl on the corner っちゅう彼のヴォーカルをすぐさまチェイスする「女性コーラス!」がスキャットで斬り込んでくるのでございますよ!
「それを除けば」ちょっとキャッチーながらも、ごくまっとうなブーギとなるハズ(?)だったんでしょが、ヴォーカルを追って入るハープのかわりに女性コーラスが入ってるワケ。ま、女性コーラスと言っても、女声が目立つってだけで、なんだか男の声も聞えてるから正確には混声コーラス・グループってことになるでしょが。

ま、それはともかく、オブリをコーラスが務めているもんだから、途中「ちゃんと」ハープ・ソロの「お時間」も設けてはあるのですが、それ以外のとこではハープは出番ナシ。
かわりにサックスが軽くターン・アラウンドで顔を出しております。ハープ・ソロとなると、モチロン音質的にカブるサックスはチンモクを守り、そのヘンの棲み分けも徹底しておりまして、こりゃ、かなり「近代的な(?)」プロデュース・メソッドが盛られておりますねえ。ま、別に「悪い」なんてことは無いんですが。

この曲は 1965 年に Gary Sizemore 自身の、いささか短命だった Continental からシングル( B 面は Love Me Right ─ Continental 777 )として発売されています。
たぶん Gary Sizemore のプロデュースだと思うのですが、おそらくこのバックのコーラスは Anita Kerr Singers*じゃないか?っちゅー気がいたします。ま、Gary Sizemoreもその前から起用してたから、ってだけのコンキョじゃ、そう言い切るのはちとムリかもしれませんけどね。

*Anita Kerr ─本名 Anita Jean Kerr、Tennesse 州 Memphis で 1927年10月31日、Memphis の放送局で週一で 15 分番組を持っていたという「ショー・ビジネス畑に身をおいていた」母から生まれています。
そんな環境で生まれ育ったせいか、僅か 4 才でピアノのレッスンを開始し、ほどなく母の番組にも出演したのだとか。そんなワケでとーぜんのように彼女はその放送局のディレクターになっていったワケでございます。
1949年には彼女にとっての「最初の」ヴォーカル・グループを結成して数々のトラックにそのバッキング・ヴォーカルを残すこととなったのですが、それが the Anita Kerr Singers でした。その活動の拠点は Nashville で、Chet Atkins を始めとする C&W 系のミュージック・シーンにも関わっていきました。
Anita Kerr 自身がソプラノで Dottie Dillard がアルト、Louis Nunn のバリトンに Gil Wright のテナーという構成ですが、他の名前でも吹き込みをしており the Little Dippers や Anita & th’So-And-So's としてそれぞれマイナー・ヒットも経験しています。
メンバーはその後 Jackie Ward、さらに Ray Conniff Singers からの B. J. Baker がソプラノ、Gene Merlino のテナー、Bob Tedow のベースと変わり(ただし、それが正確にはいつからか?が不明なので 1965 年の時点ではどちらだったのか・・・)、C&W 以外の音楽にも積極的に取り組むようになって行ったようです。

Artist List / Biography

先日の The Blues Night Vol.2 の VIDEO がりっきーさんから送られて来ました。
不吉な予感(?)に駆られ、さっそくチェックしてみるってえと・・・おわっ!ベース、音デカい!
特に二曲目(これは確信犯だから多少は「そうかな?」なんて思ってたんですが、「多少」どころではないのよねん)のベキバキビチ~ンが「ワル乗り」気味で、時々ギターが聞えないくらいウルサイざます。

これって、あれだよねー。セッションでさあ、「いやぁ面白かったよ!こうゆうベースってのもベンキョーになるねえ。ホントに楽しかった〜。でも、もう来ないでね」なんて言われるパターンかも?
ま、ナゼこーなったか?っつーと、それはね、ベースそのもののエーキョーが「大」なんですわ。
トラでベースをやることになって、りっきーさんが用意してくれたのが Fender の Jazz Bass だったのでございます。
この時、ワタクシめの「いつもの」ベース「フラット・ワウンド弦を張った」エセ Steinburger のヘッドレスだったら、マイルドな重低音を活かし、ややジャジィで(ホントだってば)メロウなベース・プレイを展開したハズなのでげす。
しかるに、与えられたのが、ラウンド・ワウンドもビンビンのジャズベ、と来ちゃ、「悪い虫」が目を覚ましちゃいました。
ワタクシの好きなベーシストってのが、Jack Casady、Scott Rafalo、そしてあの極悪 Larry Graham の三人でございまして、フダンは前二者を軸足としたマイルドかつアダルトなテイストの「たゆたうがごとき(?あまり気にしないでね。本人もイメージで言ってるだけですから)」ベースをメインとしておるのでございます。
ところがごくタマに、イキのいいジャズベなんぞを手にいたしますと、トツゼン隠れていた第三の人格、ラリーが出現するのですねえ。
もう、いったんそのスイッチが入ったら誰にも止められません。
ああ、イケナイと知りつつも右手の親指が・・・

などと言うのは実はまったくの「言い訳」でございまして、あのよーなことを「無意識に」出来るハズもございません。
ま、しょーじき、Nite Crawler のバックでベースを弾く、なんてオイシイ経験が、二度とあるハズもなく、ついつい嬉しくってはしゃいじまった、ってのが偽らざるとこなのですよ。
いやはや、今回ばかりは(って「今回も」じゃろ!という声が聞えるよな気が・・・)みなさま、なんとか大目に見てくだされ。
次からはキレーにココロを入れ替えて(?)マジメに務めますよって。

permalink No.810

Search Form