Jackson Juke

Little Milton's Juke Band


2004-07-15 THU.

なんだかとっても粗い仕上がりなんですが、ちょっとワケ判んない魅力のあるエネルギーに溢れてます。
アタマはいきなりギターのパワフルなブーギのカッティングから始まり、やや遠いけど騒ぎまくるピアノやら、ときおり唸るよなサックス(たぶん?ね)にステディなドラム・・・
そのバックにはヴォリュームこそ(たぶんマイクから遠いため?)控えめながら、スティーム・ロコモーティヴのブラスト音を思わせる Little Milton のハープが爆走を続けています。

え? Little Milton!がハープ?っちゅう、あなたのギモンはごもっとも。
実はこのひと、世に名高いほーの Little Milton、つまり Milton James Campbell とは、まったく縁もゆかりも無いカンゼンな別人で、Milton Anderson っちゅうハーピストでございます。

出生データ不明!経歴不明!その後も不明!と三拍子揃った「ダレそれ?」っちゅうブルースマンなんですが、Jimmie Ammons の Delta Records(後には Delta 以外にも Ala-Miss、Sunset、Magnolia、New World、Cotton なんてレーベルも生み出していったようです)に 1952 年に録音した歌無しのナンバー Little Milton's Boogie が Delta 103 として 1953 年にリリースされています(カップリングは Eddie White が歌った Mistreated Baby Blues だったのかもしれませんが確認できていません。またはまったく別の、同じよなインストだったかも?)。
それは、同じく Eddie White が歌ってる Boogie Woogie Woogie Baby と一緒に London GXF 2001 Dark Muddy Bottom に収録されています。

さて、その Little Milton Anderson ですが、Mississippi 州の州都 Jackson で作っていたバンドが Little Milton's Juke Band ってえワケでございます。
例によって資料に辿りつくことが出来ず、その構成メンバーなどの詳しいことは判りませんでしたが、聴いて判別する限りでは、どうやらストリング・ベースやらスーザホーンなどの低音部を担当する楽器がまるで聞えて来ません。ま、それは Earnie Young の例もあるので、単に「オフられてる*」だけかもしれないけど⋯もちろんイチバン目立っているのはギターですが、たぶんそれはこの録音(おそらく 1950 年代の初頭でしょう)の際のマイク位置のせいであって、ライヴで聴いたらこんなに前面には出てないんじゃないでしょか。
そしてハープ。で、もっと遠くでピアノも駆けまわっているんですがタマにしか聞えませんね。
そこに、時々ニュ~っと現れるサックスが、なんとも人を喰った出方でオモシロい!でも、結局どこのどなたやら判らずじまい。

*オフる ─ 音源に直接マイクを接近させて直接音を採る ON と、音源をスクープせず、それが鳴っている「場」の響きを収録する OFF のマイク・アレンジを指しますが、Excello の Earnie Young の場合は、おそらく低音が混じると、カッティングの際にカッティング・ヘッドの「送り」を調節しなければならない煩わしさを嫌い、ハナっからベースを「極力」採らないようにしたんじゃないでしょか?
またカッティング・アンプのクォリティがあまり高いとは言えなかった Excello では、混変調の「濁り」を嫌ったのかもしれません(いずれもワタクシの「邪推」に過ぎませんけどね)。
リミッターもコンプレッサーも A.L.C. も無かった当時は、ニンゲンがすべてを咄嗟の判断で「加減」してたワケでして、ヘタにベースを大きく採ると、バス・ドラとの干渉でカッティング・ヘッドがメタル・マスター上で、一周前の音溝に「干渉」してしまう、なんてこともあったようですから。
プロデューサーによる「サウンド」の傾向とは異なって、このような使用機器の性能上の制約から来る「音質」ってものは、いわば不可抗力みたいなもんで、あまり評価はされないのが実態ですが、「それ」が存在するのもまた事実ですから、そのようなハードとしての枠もお忘れなく。ハードが変われば音作りも変わってきます。


てなワケで、なんだかミョーな高揚感に満ちたこの Jackson Juke、そして、もちっと「おマヌケ(?)」な Blow It Down さらに Little Milton's Boogie、Eddie White が歌った Mistreated Baby Blues の計 4曲が Tko Magnumの Catfish Blues に収録されています。

今日、ちと出先でコピーとるのが必要になって、フル・カラーで出来るマシーンのあるヨーカドーに行ったとき、通りがかりにチラっと目のスミにヘンなもんが・・・ん?と思って見てみたら某楽器店に陳列されてた子供向けのサックス(?)でした。

ちょっと気になったんで、コピーが終った後、ちょっとそばに行ってみました。
赤と青のプラスティックで出来たオモチャみたいなヤツなんですが、一部にだけちゃんとアナも開いてて、タペットもあるんですが、まさかリードなワケないし、フツーの笛みたいな構造なのかな?
コイツにコンタクト・ピックアップをつけて、その信号で DR505の MIDI音源でサックスを選んで鳴らす、なんて遊びもオモシロそうやん?
あ、歌口にカズーを突っ込んで、指は「フリ」ってのも面白いかも。

色がナンだなあ。たしかオーネット・コールマンもカネ無くてプラスティックのサックスつかってたってゆーけど、何色だった、って言ってたっけ?うう、あまりにもムカシのこととて、じぇんじぇん思い出せない・・・

ま、それはともかく、シルヴァー・グレイやスカイ・ブルーもいいなあ。
なんて、それどころじゃないのよね。最近じゃセッションのフロントが不足気味だからギターがダイジ。

お馴染み(?)田澤食堂で今年初の「冷やし中華」をいただきましたよん。
冷たい中華麺ってだけなら、三升屋の涼麺(りゃんめん)を年中、喰ってますが、「冷やし中華」ってのはやっぱ「夏らしさ」がないとダメなのよねん。
あの酸味のなせるワザなんでしょかね?

一部で、冬でも「冷やし中華」を!っちゅう声も上がってますが⋯
うんにゃ!「冷やし中華」はやはり夏の風物詩として「季節モノ」の王者(?)として君臨してていただきたい!てな保守層ちゅうかファンダメンタリストが多いらしくなかなか固定概念ちゅうのは抜けないのでございましょう。

蕎麦ですと「もり」や「ざる」は夏しか喰うな!なんてぬかすトンマはおりませんが、なんで中華麺だとそんなことゆうのかねえ。
あ、そりゃ食堂やってます、てなショ〜バイニンだと九月っからはその用意しなくていい、っちゅう手抜き的発想(?)から「ありゃ夏に喰うもんだ」としといたほうがラクだからだろな。

逆に夏場に鍋焼きうどんなんて作るのもイヤだ!ちゅうことで、そのふたつは「季節のもん」として片付けちゃう⋯

まあ、ケッキョクは個人的な味覚によるだろけど「夏じゃなくても冷やし中華が食べたい!と感じることはないのか?」ってこと。
ええ、ありますねえ。何度もある。

鍋焼きうどんは冬でもあんまり食べないせいか、もっちろん夏に食べたいと思ったことないな。
強いて言えば「年中、無い!」がはははははは〜

Artist List / Biography
permalink No.815

Search Form