Old School"

Guitar Shorty


2004-07-21 WED.

Electric Vic Johnson による、と思われるハード・ドライヴィングなギターのリフに、ワウがらみのトガったギターで始まる、4 月 9 日に Hard Life を採り上げた Guitar Shorty の(あちらは 1959 年の録音でございますから、実に半世紀近くも時を隔てた)最近の作品でございます。しかも、これが収録されてるアルバム、Watch Your Back、5 月30日には Billboard のランキング 11 位にまで上がっておるのですねえ。

タイトルは Old School ですが(ブルース界としちゃあ?)より現代のロックに接近したアレンジで独特のプレゼンスを発揮しているように思えます。
あの 1980 年代の新しい流れの延長線上にあるような「饒舌なギター」と言ったらいいでしょうか?ま、このひとのバヤイ、Jimi Hendrix との交流も話題となりますが(よーするに彼が Marcia ってえ女性と結婚したことによって、Jimi Hendrix が「義理の弟」になった)、このギターをすべて「それ」で説明するのはムリでしょ。

例の The New Bluebloods ─ Alligator ALCD 7707 に収録された「新しい」ブルースたち、Donald Kinsey や Dion Payton、さらに Maurice John Vaughn などの「ギターの比重がかなり大きい」サウンドが、それこそオールド・スクールの 1960 年代のサウンドとはまったく異なるテクスチュアで、新しい聴衆を獲得して行ったことが、ブルース界全体にもフィード・バックされていったハズで、それが、ロック系の音にあまり抵抗が無いように思われる Guitar Shorty にもスンナリとインプリントされた、なんて言うと乱暴過ぎるでしょか?

最近の実際のシカゴのブルース・シーンの実情っての、ライヴ・スケジュールのリストなどから想像する程度しかできないのですが、1960 年代半ば以降の世界的なブルース・ブーム(ブリティッシュ系バンドによる再生産も含めて、ね)を発端に、1970 年代の日本のブルース・ブームにミゴトにハマった年代のヒトにとっては、Chicago Blues というコトバ自体が、もはや神格化されており、CHESS のスタジオ、なんて言うと、こりゃもう「聖地」だったようでございます。
そのような「'60 年代シカゴ・ブルース」ファンダメンタリストのリッパな一員になりかけていたワタクシが蒙を開いたのは、この BLUES日記で、次々とブルースマンを採り上げるようになってからです。
例えば When Girls Do It から Sugar Boy Williams を採り上げたことで、それまでは殆ど注目していなかった Jody Williams の存在を見直し、同様に Cleawater や、この Guitar Shorty も現代につながる伏流水(あ、「ワタクシの意識の上では」ね)のごとく立ち上がってきたものです。
おそらく、この日記で、さあて、次はこのヒト調べてみよっかな?っちゅう作業が無かったら、もしかすると一生、彼らの現代の姿を知らずに死んで行ってたかもしれません。
前述の Donald Kinsey や Dion Payton、Maurice John Vaughn のような次の世代を、この BLUES日記のおかげで知ることが出来たのは確かです。

もしかすっと、Chicago では、それに続くさらに新しい世代のブルースもすでに生まれているのでしょうか?それらがクラブ・シーンに、あるいは CD の上にいつの日にか登場してくるのでしょうか?

さて、もしモノズキがいて、Dion Payton の All Your Affection Is Gone を完全にコピーして日本のブルース・クラブ(なんてえのがあるかどうかは「?」だけど)でホンモノ同様に「爆音で」演奏したとすると、聴衆がブルース「も」興味ある、って程度の若いひとたちだったらウケそうだけど、以前のマニアのよーな Otis に Buddy Guy あたりにコリコリの「オールド・スクール」にゃあ「なんだコイツら?」てなことになり、帰って来てからも知人たちに、「あそこはダメだね。ブルース聴ける、ってゆーから行ったのに、ロックだよ」なんて触れまわることになるのかもしれませんなあ。
そんな意味でこの Guitar Shortyの Old School、ワタシには、どう?この程度ならあんたらもついてこれるんちゃう?っちゅう「仕掛け」に感じられてしまうんですが、それって「考え過ぎ」なんでしょかね?

ベースは Sweet William Bouchard、ドラムに Alvino Bennett、キーボード Jesse Harms。

明日は青森市で Willie Kent ですねえ。
他の都合もあるのでクルマで、ちゅうことになります。
会場そばのパーキングは高くつくのでベイブリッジを渡った先の某スーパーに駐めときましょっか。
そっから会場まではベイブリッジを歩きで渡ってく、と。
たぶんベイブリッジからは左手の海だけじゃなく、前方の会場も見えるんじゃないかな。
まあ、正直に言うとあんまり期待はしてない、ってのがホントのところ。

だってねえ、Willie Kent?誰それ⋯てなもんでしょ。知らんがな!っちゅう世界ですわ。
でもまあ、いちお〜見とこうかね、てなもんで。
なので、去年と違って、あまり期待もしてないですから、かえってやたら気楽に楽しむことが出来そう。

そしてしょ〜じき、期待してないどころかほとんど興味ない Bonnie "Bombshell" Lee。
いわゆるデブった黒人女性がゆっさゆっさブルース歌う、っちゅうそのまんまやん。
もともとブルースは情けな〜いオトコが歌うもん思ってますからねえ。いまだかって女性ブルースシンガーでココロに来たのってひとりもいませんねん。
男女雇用機会均等法じゃないけど、あんまりあからさまにそのよ〜な性差別はしたくないんですが、ピンとくるのが居ないんだからしかたありませ〜ん。

さて、Willie Kent でございますが、4月19日の日記では XX声、などとシツレイなことを書きましたが、実は声がどうこうってことよりも「どうゆう存在なの?」っちゅ〜根本的にシツレ〜な疑問が付き纏っておるのでございますよ。
これ、実地に聴いて「ひっくり返る」こと、あるんでしょか?
ある意味、これまで一度だって聞いたことない相手ですからねえ。逆にレアなケースなのでございますよ。

え?ロクオ⋯うっぷす、「取材」(?)はする予定でおりますよ。
実際には当日の周囲の状況でどうなるか?ですけどね。

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