World's in a Tangle

Jimmy Rogers


2004-07-27 TUE.


1950年の 6 月25日、突然、北朝鮮軍が韓国に侵攻したことで始まった「朝鮮戦争」は、非共産圏諸国に大きな危機感をもたらします。
7 月にはソウルまでが奪取され、韓国軍と駐留米軍は釜山にまで後退し、対馬海峡に追い落とされそうな状況となりました。
それに対してアメリカは正式に参戦することを決議し、太平洋地区の主力を朝鮮半島に振り向けます。海兵隊による上陵強行作戦によってソウルを奪還し、北朝鮮軍の背後の脅威となりました。
南下していた北朝鮮軍は背後の補給線がいまや危機に陥ったことを知って、急速、撤退を開始し、ここが転回点となって半島すべてが制圧される事態を免れたのです。

この時も、後になって、情報機関が北朝鮮軍の集結の模様、行動バターンの変化などを事前に察知していたのに、それが米韓両国の政府および軍部の、いかなる警戒行動にもつながらなかった、という点が問題になりました。
9.11 もそうでしたが、アメリカという「国家」自体に、相手の敵意を「過小評価」する傾向があるのかもしれませんね。
逆に言えば、実際には相手に対してヒドいことをしているのに、「喜んでもらえてるハズだ」と思い込む「身勝手」ながら、ある種イノセント(ここでは無垢ってより、アホに近い「幼稚な」とゆうニュアンスと思っていただきたい」な楽観主義が支配しているように思えるのですが。
で、それだけに、いきなり相手が牙を剥いたときに持つ「驚き」の大きさもまた相当なもので、それ故に「この恩知らずめが!」的憎悪に鼓舞されたファイティング・スピリットみたいなものも盛り上がるのでしょう。
大半のイノセントなアメリカ国民にしてみれば、この突然の北朝鮮軍の優攻は共産主義の脅威、という逼迫した恐怖にもつながったのかもしれません。そして、そのような状況の中で生まれたのが、この曲、World's in a Tangle だったのです。

いまや、世界は大混乱さ
赤どもが攻め込んできやがった
ここにこうしちゃいられない

だからこうして穴を掘ってるのさ
土の中にもぐるように
俺が軍隊に入るころには
もうやつらもいなくなってるだろうし


1951年 1 月 4 日、北朝鮮軍の形勢不利を挽回するために中国が投入した 38 万人と言われる中国人民軍の効果もあって、ソウルはふたたび共産勢力によって占拠されました。
この時、米国は真剣に核兵器の使用を考慮した、と言われています。
歌詞の中に出てくる build myself a cave, move down in the ground は、それに関連した「シェルター」という発想から来たものなのでしょうか?

CHESS1453,カップリングは She's In Love With Another Man でした。

昨日は Le Tour も終わってテンションが下がったところで、午後からの雨。
仕方ないのでクルマで移動しておりました。

外においてある HARO F-1 のカヴァーが破れて来ちゃったんで、新しいの買わないとね。
あれ、やっぱり T バー・ハンドルにフォア・グリップを装着して、突起が増えてるから破れやすいのかも?
あ、先日の酷暑で、カヴァーもヤワになってたのもあるかなあ?

ところで、土曜日に西海岸(ってアメリカじゃないよ。日本海側、って意味ね)の街でコリマの十文字ホイールの LATIDO とかってレーサーで走ってる女性を見かけました。トライアスリートかも。
うちのカーボン・ホイール装着のレーサー、MobiusZ も出し惜しみしないでタマにゃあ走らせてやんないとね。

ONI KOROSHI を採り上げたとっから、日本語でのブルースって話になり、Bourbon Street Band が板の方で話題になっております。

このバンドも(「も」というのは、昨日の ONI KOROSHI のギター、庄司厚人も 1979年に the Cabaret で決勝まで行ってるから) 8・8 Rock Day 1976 の決勝にまで進みました。
そのオリジナルの歌詞(ドラムの浅野 清が担当していたらしい。作曲はギターの砂川香織)は 10曲中 6曲が標準語の歌詞、他に一曲が一人称は標準語ながら会話部分で関西弁、という具合で、関西を拠点とするグループでありながら、そういった姿勢は全国をターゲットとしたところから来たのかもしれません。

当初はブルース・ナンバーを忠実に演奏していたらしいのですが、次第にオリジナル曲に軸足を移して行ったようで、それには、関西のみならず、東京方面でもライヴを数多くこなしたというその経歴が影響を与えていたのかもしれませんね。
そして関西、と言うと持たれそな偏見に、「臆面の無さ」みたいなもんを云々する人もいますが、この Bourbon Street Band にはなんか「お上品(?)」なものを感じるんですよ。
ま、それを、彼らが大阪じゃなく、尼崎の出身だからだ、と O氏はライナーで書いてますが、そこら尼崎での生活経験も無いワタクシとしてはカンタンに「そうかも」と言うワケにはまいりませんねん。
ま、とにかく、そんな彼らが、ナゼ標準語の歌詞をメインとしたか?ということについては作詞担当の浅野 清も語っておらず、こちらの想像でしかないのですが、あるいは本気でエクスペリメンタルとしてチャレンジしていたのかもしれませんね。

ワタクシが所有するアルバム、Blow Up LX-7071-A 以降にも、もう一枚アルバムをリリースしている、という情報もありますが、まだ確認は出来ていません。
また、ギターの砂川香織は後に大阪ミナミの楽器店に勤務しているところを目撃されていますが、その他のメンバーについては不明のようです。

メンバーは、ギターが砂川香織と喜多一郎、ベース山本進也、ドラム浅野 清、そしてヴォーカルが朴 原根でした。
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