Meet Me With Your Black Drawers On

Gloria Hardiman


2004-08-02 MON.


1987年にトップ40に入ったナンバーです。
どうやら彼女には双子の他にももう一人の子供がいるらしく、ひところ、育児休暇ってワケでもなさそうですが、音楽シーンから「消えて」おりましたが、どうやら復活しているとのこと。
また数少ない資料から、どうやら父は牧師だったようで、その緑でゴスペル・シンガーでもあったみたいです。なんだか Andre Crouch ってえひととも歌ってた、っちゅうんですが、ゴスペルにツヨくないワタクシにはこの Andre だかAndrae さん、どこのどなたやらさっぱり判りません。たぶんゴスペル・シンガーなんでしょね。殿堂入りしてるよな。

さて、初っ端、"Professor” Eddie Lusk の弾くファンキーなハモンドで始まるんですが、この音がまた「いい!」。彼は教会でのピアノから来たひとらしく、ゴスペルにも「お強い」ようでございます。
それとは「別に」ピアノも入ってるようですが、これは手クセが共通してるし、多重録音でしょねえ。ま、まさかとは思いますが、このピアノ、PCM音源臭いから、ヒョっとしてハモンドの上にピアノっつー離れワザも不可能ではないかも⋯
ちょっとドスドスなドラムは Michael Scott、ベースは Fred Barnesで、スネアのスットコドッコイがちと耳降りだけど、ややジャズィなリズムに準備充了!

そして転り込んで来る彼女のヴォーカルがまた、クール&ドライでキレのいいこと!
ううう、カッコいいっ!
この一瞬、Fever のPeggy Lee を思い出させる、粘着性の少ない突き放すよな距離感がタマりません。
ドラムのスネアの「重さ」がちょっと気になるけど、このヴォーカルのクオリティに合わせ、トータルなサウンドもきっちりと造り込まれ、それゆえにややナマなパワーっちゅう面では、ちょっとばかりアマいかな?な部分もありいの、その完成度にやはり感心しちゃう、ってな作品でございますよ。
ま、でも有り体に言えば、ところどころ「やり過ぎ」感もございまして、やはり、バック全員で声を揃えてコーラスするとこなんて、ヘタすっと「ここ、笑うとこ?」になりそーだし、途中ナゼか Rock Me Baby にメドレ一で突入するとこも、まあ「お得」感はあるけど、どうも商品性を高める方向にベクトルが向いてるような気もいたしますねえ。
ま、おかげでチャート・インも果たせた、っちゅーことなのかもしれませんが。

ワタシだったら彼女にNight Life なんか歌わせてみたいですねえ。
このソリッドかつクールな距離感によって逆に引き立つ歌詞の世界ってのもあるような気がするんですよ。
でなきゃ、逆にバンド・サウンドはもろホット指向にして、そこに彼女の「つれない」ヴォーカル がクギを刺す⋯
この曲は分類すれば後者寄りなんでしょが、ちょとポップなフレイヴァーが目立つかも。
でも、嫌いじゃありません、このセンも。

実際、Alligator によれば、この曲がこのアルバム ; Alligator ALCD 7707 The New Bluebloods 中で「最もリクエストされた」曲だったそうで。
なお、彼女は Steve Freund の Set Me Free( Steve ご本人へのインタビューでは「たぶん1984 年頃だったと思う⋯」だそうです)にヴォーカルとして参加していました。
この Steve Freund は 1976 年から Sunnyland Slim と一緒にやってたギタリストで、本拠を California に移し、そこから Chicago にまた出て来たりしていたのですが、腎臓を患っていた Sunnyland Slim が1994 年に死ぬまで、時には Hubert Sumlin とも一緒にギター・バートをや っています。
また、Set Me Free を吹き込むにあたり、ヴォーカルとして Valerie Wellington を希望していたらしいのですが、彼女の早過ぎる死によってプランが空中分解しかけたときに紹介されたのが、この Gloria Hardiman だったそうです。Steve Freund は彼女や、去年デルマーク・オール・スターズ (?)で来日したベースの Bob Stroger、そしてドラムの Eddie Turner などと自己のバンド(とは言え、ピアノにはやはり Sunnyland Slim! )The Blueprints を結成し、北米各地のツアーなども行っていましたが、メンバー間のエゴの対立からバンドは解散し、それを機に、彼女はいったん音楽シーンから消えて育児に専念したようです。
ただし、今年 6 月 2 日の Steve のインタビューでは、最近、音楽活動に復帰したようだ、という発言もあったので、そのうち登場してくれるかもしれません。

昨夜から始まった弘前の「ねぶた祭り」・・・と言っても有名な青森のとは大違いな地味なお祭りです。
それでも街中を HARO F-1で走ってると、あちこちで太鼓の音や笛が聞こえて来るのがなかなかムードがあっていいものです(ただし、その前の二週間ほど、近くにある小学校の前庭で練習されちゃうとさすがにウンザリして来ましたけどね。どっかで誰かが熱心に練習とかしててほしいけど、ウチの近所じゃヤメてほしい、っちゅうホントにエゴイスティックな希望ですけどね)。
今年は低温続きだった去年とは違い、夏らしい、っちゅうか夏らし過ぎる(?)猛暑の中での祭りになりましたよ。
夜が本番なんで HARO で運行コースのそばまで行ってみたら、翌日の青森の開幕を前に、先に弘前のも観ておこう、って観光客も多いせいか、スゴい人出で、そんな中をいかに前後 20 インチの小径車とか言っても、それで移動なんてムリな混雑ぶり!
しかたなく、歩いて接近してみましたが、それでもマイペースで歩けない⋯どころか道路の反対側にもよう渡れない!っつう「どえらい混みよう」で、スグに逃亡してきました。
今日は少し人出も減るでしょうから、もっと傍まで行ってみよ。

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