jelly, Jelly, Jelly

Clarence "Gatemouth" Brown


2004-08-04 WED.


今から 32 年前になる 1972 年に録音された、みなさまもご存知のスロー・ブルースでございます。
ま、タイトルこそ違え、ワタクシにとってはイッチバ〜ン印象に残ってるのは、ってゆうと、そりゃもうリック・ハーシュのこってこてに脂ギッシュなギターがたまらん Wet Willie の Macon Georgia Greezy Hambone Blues でございましょう。

ただし、自分でやるぶんには、あれはアクが強過ぎて(って、この Gatemouth だってそうなんですが)、もう少しサンコーになるものを⋯なんて漁ってはみたのですが、Esther Phillips のお茶目なヴァージョンなんぞに引っかかりつつも、やはり「戻って」来ちゃうのが、この Gatemouth の!でございました。
でも、自分でやるときには、もすこし Wet Willie 寄りかもしんないなあ。
ヴォーカルに関しては、ね(ホントか?)
でも、バッキングでは、あのコードを半音っつ上下に揺らす(つまり T ポーンの Stormy Monday なんぞでよくやる、7-9th フォームで N-♭/N/#⋯N/♭/N/#/N!ってカッコつけたコード・ワークがワタクシ、メチャメチャ大っ嫌いでございまして、頼んでもいないのに、あれやられちゃう と、「大変に」ヤル気を喪失しちまうのでございますが、困ったことに、あれを「カッコいい」と 思ってるひとが多いようで、ごく当然のようにやられちゃうんですよね一。

Gatemouth はって?⋯へっヘっへ、「まったく」摇らしておりませんよ。当然っしょ!
あ、そっか、これみたく、スロー・ブルースっちゅうより、Cummins Prison Farm にも通じるへヴィでスローなブーギをサイドに刻ませればいいのか。
そしたらコードを上下に半音っつ動かすバカの出番は無くなるもんね。
よ〜し、次からコレ演るときはスローかつステディなプーギで切ってもらお。

左チャンネルでチョンワ・チョンワと(んなアホな!)サイドを切ってるのは Joe Wright。
低くハ ミングするよなオルガンはフランス人の Andre Herve、着実なベースはその兄弟らしい Michel Herve。ドラムもフランス人の Christian Devaux で、録音はフランスの Herouville.(発音はエロヴィユかな???)

そのマスターを Memphis に持ち込んで、世に名高い the Memphis Horns をオーヴァー・ダブ したものでございます。なのにナゼか日本語ライナーでは「イギリスでのレコーディングだと思われ る⋯」となってるんだけど、オリジナルのライナーには、ちゃんと Originally recorded in France with French sidemen⋯と記されてるんですけどねえ。 まるっきり英語がダメなひとなんでしょか?

他にキャンド・ヒートがバックをつけた二曲も収録されているこのアルバム、Gate's On the Heat Polydor POCP-2362 には、他にも River's InvitationSt. Louis Blues なんてミョーな選曲でケッコー味のある仕上がりになってますね。
バックもぜ~んぶ黑人でなきゃヤだ!なんていう人種差別論者(イミが逆ですけどね)にはおススメ出来ませんが。

そこいくとワタクシの場合、いわゆるホワイト・ブルースってのにはハナも引っ掛けないかわり、 「バックは別に白人でも日本人でも宇宙人でも(?)構わんよ、主役の出来さえ良くなるんならね。Eddie Taylor 師の Ready for Eddie を見なさい!」っつースタンスですから、ヘタに「フン、なんでこんなヤツのバックを俺がつけるんだよ?俺のほが上だろ?」なんて思い上がってる果人のブルースマンをバックに入れたばっかりにグダグダになった、って噂のアノひとのアレ(「アノひと」と「アレ」にはみなさま思いつくものをお好きに当てはめてくださいませ)よりはよっぽ ど「いい」って思うんでございますよ。

あ、誤解されそうだけど(って誤解されても別にいいんですが)Wet Willie だって「ロック・バン ド」として好きなんであって、彼らを「ホワイト・ブルース」だなんて思ったことは一度もありませ〜ん。
ロックのバンドが、好きでブルースを探り上げるぶんには「いいぞ〜!」で済みますが、白人が「俺たちはブルース・バンドだ」なんて軽々しく言ってほしくはないワケよ。ゆっ、ゆるしませんぞ!
だってそいつら(あ、「そいつら」呼ばわり!)は「現に白人である」っちゅう状態に安住(してない!と言い張るかもしれないけど)出来てるワケでしょ?なんだかんだ言ったって。
俺は生まれてこのかた、黒人を差別したことは無い!っていうのは自由なんだけど、それはあくまでもナチュラルに差別する側の視点ですからね。
俺は生まれてこのかた、肌の色が黑いというだけの理由で差別されたことはただの一度も無い!なんて黒人がアメリカにいるでしょか?それが当たり前になるまでは手前味噌な「いい子ぶりっこ」すんじゃねえよ。

差別だけがブルースを作ったワケじゃないし、さらに、今ではアメリカの黒人にとっても、ブルー スってのが現代の彼らの生活圈外にある「他者」としての存在になりかけているのかもしれないけど、でもブルースはアメリカ黒人の音楽の「核」である、という認識は当サイトの「基本」、そして「原点」でございます。
よって「ホワイト・ブルース」なるものを不当に贬める発言が随所に散見されると思いますが、それが当サイトの基本的なスタンダードなのでございます。
その点に関する異議は受け付けませ〜ん。

異論・異議などは「ご自分の」サイトやらブログで「高らかに」どうぞ!
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