Sweet Little Angel

Tampa Red


2004-09-21 TUE.


4 月18日には Sam Baker で採り上げました Sweet Little Angel の Tampa Red 版でございます。
この曲のオリジナルは 1930 年の Lucille Bogan* の録音ですが、彼女と一緒にそれを演奏していた Tampa Red が、自分でも 1934 年に吹き込んだことで有名になり、さらに、1950 年にあらためて Bluebird に吹き込んだのがこれ。

* Lucille Bogan ─ Lucille Armstrong。1897 年 4 月 1 日、Mississippi 州 の州都 Jackson から北東に 260km ほどのところにある、Monroe 郡の小さな町( 2000 年の国勢調査でも人口は僅か 6956 人。そのおよそ 100 年以上も前はどうだったのか?) Amory で生まれています。
町の住民はおよそ 7 割が白人、そして 3 割ほどの黒人で構成されているようですが、このデータも 2000 年のものですから、彼女が生まれた当時はどうだったのかは判りません。参考までに、2000 年の時点で、全所帯の 17.1% が「貧困層」に分類されているようです。
しかし、彼女はほどなく Alabama 州の Birmingham に移っているようで(年月日・理由ともに不明)そちらで「育った」とする資料が大半のようです。
ただし、それも多分に推測の域を出ないようで、1923 年に「ブルース史」に登場してくるまでの彼女の動静は「ほとんどなにも」判っていない、というのが実態でしょう。
その 1923 年、彼女は Okeh レーベルに初録音し、以後 Bessie Jackson 名義でも吹き込みをしています。
ただ、Okeh では 1922 年から、積極的にフィールド・レコーディングに繰り出しており、その出先で、じゃなく、本拠地の New York で録音している、ってことは、(想像ですが)キャラヴァンが彼女を発見し、その資質を見抜いて、こりゃ New York で、キチンとしたバックつけて吹き込んだ方がいい、と判断して送り込んだのでは?なんて気がするのですが。

その後、彼女は Chicago に移動し、Paramount や Brunswick にもレコーディングしました。
Chicago では Tampa Red と出逢い、Sloppy Drunk Blues や Black Angel Blues を作っています。
1935 年に、当時、彼女が契約していた ARC が契約の更改をしてくれなかったことから Alabama 州の Birmingham に帰った、と言われています。
Nazareth Bogan という男と結婚して二児をもうけた彼女は後にウエスト・コーストに移り、1948 年の夏、冠状動脈の硬化症により Los Angeles で死亡。
他にShave 'Em Dry など。


Tampa Red ですが、この録音ではスライド・プレイをしてません。
それでも、なかなかホンワカしたいい味を出してますねえ。
バックで時に華麗にキラメいているのは Johnnie Jones のピアノでございます。
ベースは当然 Ransom Knowling、そしてドラムが Odie Payne っちゅう「黄金の(?)」トリオ!

しか~し、それにしてもまあ、Sam Baker のとの違いがスゴいですねえ。
とても同じ曲とは思えないよなこの落差。おヒマな方はこの両方を聴き比べるのもオモシロそ。

ところで昨日の午後に、ホームページの更改作業中に急な用事で呼び出されて外出したのでございますが、その途中で思わず吹き出しちゃうよな珍物件をハッケンいたしました。
それが下の画像なのですが、そのときはカメラを持参してなかったので、あらためて撮影に行ってきましたよ。



いかがっすか?
すっばらしいですねえ。自信満々「売 件 物」が太ゴシックでド〜ン!

たぶんコレ、看板屋さんに不動産業者から渡した原稿がそもそも間違ってたんでしょか?
原稿はちゃんとしてたのに看板屋さんが写植するとき間違えたんでしょか?
はたまたそこまではモンダイなかったのにステンシルを切って貼る段階で間違えた?

でもまあ、この状態で納品されてるハズなのに「誰も」ナニこれ〜!と思わなかったのかなあ⋯

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