After the rain

2002-07-11
首都圏は北上する台風に吸い上げられてきた南からの風に占拠され、IN AND OUT でMACさんと組んでるそまさんによると「暑い」じゃなく「痛い」ほどだそうです。
こっちは日中でも 18度くらいだってのに。

MACさんとこに掲載されたギター遍歴、いろいろとおホメをいただきました。ありがたいことです。とりようによっては、高価な製品を提供するカスタム・ショップや、ギター・ビルダーの存在を否定しているようにも見えるかもしれませんが、そうじゃあないんですよ。私もカスタム・ショップになったつもりなんですね。
だから私が手を入れたギターにはロゴ・マークよろしく"Othum M."のサインを入れてあります。

ホントなら気に入ったボディ材のシーズニングから始めて加工する「ギター・ビルダー」もやってみたいんですが、それだと、シーズニングの前後、加工の前後でどう音響特性が変化するか、って膨大なデータを相手にしなきゃならないわけです。
それだけ不確実性が見込まれるファクターをしっかり管理することなんて出来ないですからね、ワタクシにゃあ。
木質合成樹脂による成形技術が採用出来るなら「響き」もコントロール出来そうですが、たぶんそんな材質なんてのはエンスーなギター・ユーザーには受け容れられないでしょね。となると、ちょとズルだけど、ボディは完成品の中から気に入った響きのものをマテリアルとしてパクって来る、と。
もーエージングも済んでるし、安定してますからね。

逆に元の材質を見て完成後の「響き具合」をイメージできるヒトがギター・ビルダーになれるんじゃないでしょか?
そこいくと、こっちはやっぱカスタム・ショップのグレードを目指すっきゃないっしょ。ま、ピックアップやなんかも作れたらそのほーがいいんでしょうが、その辺は自分で作らなくても、いい PU いっぱいありますからね。よほど「哲学」でもあるならともかく、なんでも自作すりゃあいいってもんじゃないし。
だって大抵その製品で生計を建てているプロが作ってるんですからねえ。
それ超えるモノなんてなかなか作れるもんじゃないです。
以前、ストラトの PU を、出力アップさせるなんていって、コイル巻き直しもしたことありますが、あんなもん、人の手作業でファクトリィものに太刀打ちなんて出来ません。
出来る、と言ってるヒトがいたら、それは要求するスペックがうんと低いってことですよ。機械より人手、っての職人のカガミみたいですが、最近のウデのいい職人ってのは、機械を使って神ワザなみの作業をこなせるヒトをいうんですよ。
機械は必要なとこじゃ使いましょ。

ハナシは変わるけど「手打ち蕎麦」が「機械打ちの蕎麦」よりウマいってのも、ある条件下では、ってことですからね。「旨い&マズイ」と「手打ち&機械打ち」の間には順列組み合わせ的相関しかないんですから。
なんか反ディジタル、反機械化、反コンピュータが知識人の証、みたいに思ってるヒトもいるよーですが、ま、ホントにそーだったらいーですね、とだけ言っておきましょ。
permalink No.89

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