I Hate These Doggone Blues

Clarence "Gatemouth" Brown


2004-10-07 THU.


一見コッテコテのスロー・ブルース、と思わせて、Screamin' Jay Hawkins とはまた違った「ベクトル」で「おちゃらけてる」ナンバーでございます。

まずイントロからして人を喰ってますよ。5 度→ 4 度と落ちてきてトニックからターンアラウンドってえとこでいきなりブラスまで動員した 4 度のオーケステレーション!
歌が始まっても、どーも、マジメにやろう、なんて気はこれっぽっちも無いみたいで、おまけに、S. J. H. みたいなミョーな声で茶々を入れるヤツまで登場して、「ワシをブルースマンなんて呼ぶな!」が口癖らしいクソじ⋯ うっぷす、ゲイトマウス翁らしい「のらりくらり」ぶりで、なんだか、後生大事に「ブルースはこーでなきゃいかん!」なんてこだわってる「ファンダメンタリストたち」の神経を逆撫でするのが目的みたいな、ホント楽しそ〜な彼のよ〜すは、本人がなんと言おうとも、逆説的に「ブルース界の至宝」ですわ、こりゃ。

ま、根がギターだからか、フザけ方も S. J. H. とは違っておりまして、「ギターででも」おちゃらけてるんですねえ。
そこら百戦練磨の悪党でございますから、ギターにおきましても、表現言語をタップリ持っておるんですねえ。しかも、その崩し方が、「いわゆる」ブルース・ギターってえスタイルをミゴトにおちょくってるあたり、さすが、でございます( Buddy Guy もパロディみたいに、俗世間の言う名ギタリストのマネしたりして遊びますが、このじいさんの「おちょくり方」には、かって日本の某一般大衆受け女性歌手が清水ミチコの物真似に対して言った、っちゅう「あのひとがやる私の物真似には悪意を感じる」、ってセリフがまんま当てはまりそうですぜ)。

あの名曲 Got My Mojo Working* ( THE BEST of "MOJO WORKING"!! )を始め、Born In Louisiana*、She Walks Right In*、Louisiana Zydeco* なんてえワタクシの「お気に入り」の数々と同様、この曲も、Alligator ALCD-4779 STANDING MY GROUND に収録されております。ここんとこ、いちばん聴いてるのはこれだな(あ、Gatemouth では、ってイミね)。

最近やや健康に問題があって、一時入院治療などもしてたようですが、その後脱獄し⋯ じゃなかった、退院したのか、某所に出没してた、なんて情報もありましたっけ。
もーかなりの「お歳」ですから、シンパイではございますが、そう、佳人薄命のちょーど反対で、カンタンにゃあくたばらないかも?ってえ気もいたしますから、まだまだ毒吐き続けてほしいですねえ。

ここんとこ、ヘンな表現だけど、「マジな」ブルースを連続して採り上げてたら、やはり生理的にムリがあるっつうか、ミョーな息苦しさを感じちゃうんですねえ。
なんせ根がおちゃらけてますから、タマにマジメなフリするのも楽しいことは楽しいけど、ま、続けちゃダメだな。
そこで、いつもなら、お馴染みの Screamin' Jay Hawkins でバカ笑いしてガス抜き、ってのが手っ取り早いのでございますが、本日はちょっと横道にそれて Gatemouth で行きましょ。

なんたって、もはや伝説的エピソードとすらなっている吾妻イジメ事件(?)以来、一部の日本ブルース界では「唾棄すべき存在」みたいな扱いまで受けてるよーですが、ワタクシ、そーゆーとこまで含めて Gatemouth が大好きなんですねえ。
やはり、ライヴで見たブルースマン(あ、Gatemouth は「ブルースマン」じゃないんでしたねえ。うぷぷ)は、とかく強い印象を残すものですが、中でも Blues Alley Japan で見た Gatemouth と、弘前・日専連会館で見た Eddie Taylor はともにその「場」のサイズが良かったのか、他の大会場で観たブルース・ライヴとはまったく異質なインパクトがありました。

もちろん、経済的な側面から言えば、大会場でなければ採算がとれない、てな状況もあるでしょうが、やはり「ブルースはライヴハウス・サイズ」で聴きたいものでございます。
それこそ、シカゴのブルース・クラブみたいなサイズね。

ま、スポンサーの都合で今年のパークタワーは無くなるらしい、なんて現状からすると、クラブのサイズでブルースを、なんてのはゼータクの極み、なんてことになるのかもしれませんが。

パンクでエラい目に遭いました⋯なんて言うとみんな誤解するでしょが、パンクしたのは自転車じゃなく、HONDA Beat なのだっ!
ちょっと自転車では運べないもの(実はデコレーション・ケーキでございます)があって、さあ出発!と思ったら、なんと左後輪がペシャンコ!
でも、物置にはウィンター・スタッドレスをアルミ・ホイールに装着したのがあるんで、急いでジャッキ・アップしすべてマニュアル(エア・ドリルにオイル・ジャッキなんて無いしね)で交換して即ダッシュ!
5 分遅れで済んで良かった!

これが自転車だったら、もし HARO F-1 がパンクしてても(というか、出走前に必ずエアをチェックするため早めに見るから時間のヨユーもあるしね)、それなら OLYMPIC ORS があるし、それもダメでも(?) Cannondale R-700 が、ま、あり得ないけど、それもダメだったら、最期は Möbius Z がある!
ま、Möbius Z で市内の使いっ走りなんて、ラーメンの出前をフェラーリで届けにくよなもんかな?

でもねえ、モノがデコレーション・ケーキじゃ(それも「お客様のオーダー」の品ですからねえ)ゼッタイ、ちょっとでもぶつけるワケにはいかないし、ほぼ水平に保たなきゃいけないんで、さすがに自転車じゃムリなんですよ。

あ、ソバ屋の出前のカブが荷台につけてるよなあの装置があれば自転車でもケーキ運べるかな?でも、あれ、マウンテン・バイクになら合うけど、レーサーじゃつけるとこもないよね。
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