かわりに・・・

2002-07-15
最近、ふとしたきっかけで、エフェクターの件がやたら盛り上がりました。
エフェクターの使用を「当然」と考えるヒト(私も当然そのひとりです)、必要悪?程度と捉えるヒト、害悪じゃ(とまでは言ってないけど)、と考えてるらしいヒト、で、それとはまた別な問題として、音がどうこうじゃなく、セッションなどで、限られた時間を有効に使いたいのに、いきなり5〜6コのエフェクターをいっこっつ接ぎだし、それだけで10分くらい使う「マナー違反」の件もあるんですね。
準備や撤収は早いにこしたことはないし、そこでモタモタしてるヤツが全体の足を引っ張っているコトに対する嫌悪が、そのままエフェクター嫌いにつながっている場合もあるのではないでしょうか(それと同じ理由で、ステージに上がってからいきなりハイタムを一個ハズしたり、シンバルの高さ・角度を延々といじりだすドラマーが「嫌われる」んだよね。早めに上がってやっとけ!っちゅうか、そんなセッティングいじるほどのウデじゃねえよ!なんて陰口たたかれる・・・ )。
ただ、そんなコトとは別に、エフェクターを使うコト自体を軽蔑する風潮があるように感じることもあります。

ブルースの世界では、全般にアンチ・ハイテク的な傾向があって、「エフェクターなぞ邪道だ」みたいな元気のいい声が良く聞かれます。
でも、ロックの世界でも、「マーシャルでガツ〜ンと行け!ディストーションなんてフェイクだよ」って声があるんですね。
つまりマーシャル買うカネが無い(or買っても置くトコ無い、運んで来れない、音量上げられるトコ無い etc.)ヤツがそれっぽい歪みを手に入れるためにダマシとしてエフェクターに頼るんだ。って意見です。

リヴァーブだってそうですよね。ロイヤル・アルバート・ホール(きわめて残響が多いことから、とある口の悪い評論家は、「演奏者が自分の音楽をもう一度、聴くことのできる唯一の場所」と表現したそうです)で実際に演奏した時の残響を仮想空間として演出するためのディジタル・リヴァーブ。
そんなシミュレーションとしてのエフェクターと、現実の空間ではあり得ないエフェクト─たとえばフェイザー、ワウ、フランジャー、コーラス、エキサイター、エンハンサー、このようなものはエフェクター以外では普通には耳にすることの出来ない効果を提供してくれます。そして、それらの効果を必要、と考えるかどうかは人によって大きなひらきがあり、歩み寄りは難しそうですね。

ただ、それを必要とするか否か、と、セッティングのモタツキやステージ上を不当に狭くする、と言った「マナー」の問題とを、ちゃんと分けて論じないと、お互いに相手の無理解を嘆いて終わることになりそうです。
使わないヒトは、使うヒトの意志を尊重し、逆に使うヒトも、それによって使わないヒトたちに不快な思いをさせていないか(まあ、中にゃあエフェクターってだけで目クジラ立てるヒトもいるから、無条件で不快な思いをさせてるコトになっちゃうんですが・・・ )、足もとをクリーンにして、いらない神経を使わせないようにしないとね。(と、自分もハンセー。エフェクターは「必ず」使う派なもんで・・・ )
2002/07/16 2:20:04
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