Everybody Is a Star : 2004-11-26 FRI. うひゃ~、ついに昨年11月のドトーの 16 連載でみなさまを呆れさせた Strange Steps ─ Days of Screamin' Jay Hawkins と並んでしまいました。 しかも、この調子じゃも少し行きそうですから、2003 年 7 月 1 日から始まったホントに BLUES日記になっちゃったシリーズ(なんじゃそりゃ?)中、最長連載になるのはどうやら確実でございましょう。 というのも、実は、かねてより、一度アメリカの公民権運動についても、せめてその代表的な人物のひとりである Martin Luther King Jr. 牧師の動きを介してでもお伝えしたい、と思っておりました。 しかし、ブルースマンでそこらに「専念」しちゃった、というか深く関わった、ってのはちょっと思いつかないんですよね。もちろん、みなそれぞれの位相で関わっていることは確かなんですが、それを作品の域でも積極的にフィード・バックさせて、大衆の意識の変革を目指したか?となると⋯ やはり、その意味では、この Sly & the Family Stone こそがふさわしいワケで、そこでアメリカの公民権運動とコラボレート(っつうのか?)させて、かつてあった「ひとつの転換点」を描く(つーか、描いてみよう、とする。かな?)この企画が秋の始めからヒソカに準備が進められておったのでございます。 ま、実際に初めてみると、とてもまとまりのない、ハナシがあっち行ったりこっち来たりの迷走状態で、最初に思ったよりも長くなっちまった、ってのが真相ではあるのですが。 でございますので、今すこしのお付き合いを・・・ え〜さて、およそワタクシ個人に限って言えば、Sly & the family Stone の「重要な」作品は 1969 年の末までにすべて「世に出た」のではないか、と感じています。 もちろん、この後にもアルバムはリリースされますし、「それなりの」名曲も無いではありませんが。 1969 年のアルバム Stand! の後、次のアルバムまでの間には、それまでのペースから考えると、いささか不自然なほどのインターバルがあります。 その空隙の底に横たわるのは、やはり紛れもなく、ある種の「変化」であることは多くの資料が指摘するところですが、その原因を、Sly の薬物への依存症に求めるものがケッコウ目につきます。 ま、真相は本人にしか判らないとは思いますが、なんにしても、ここがターニング・ポイントだった、ということは言えるでしょう。 そして、これまたごく個人的なことゆえ、そんなこと知るかい!と言われそうですが、この一連の Sly & the Family Stone の音によって、ワタシのロック観が大きく変化してしまったのでございますよ。 ま、実際には 1970 年11月21日に発売された Greatest Hits(体裁はあくまでもベスト・アルバムですが、実は Thank You Falletinme Be Mice Elf Agin とそのカップリング曲の Everybody is a Star、そして Hot Fun in the Summertime の三曲は、このアルバムにしか収録されていませんでした。その意味では新録三曲をボーナストラックにしたベスト、とも言えそうです)をワタクシが入手したのは翌 1971 年だったと記憶しております。 この前後には(って、ちょっと前の 1969 年のことにはなりますが) California 州 Altamont でのストーンズのコンサートで会場の警護にあたっていた「地獄の天使」によってファンが刺殺される、という惨劇が起きておりましたねえ。 もちろん、その 1969 年はむしろ、もはや伝説とまでなっている「あの」 Woodstock の年でもありましたが、昔っから、ミソもクソも一緒くた(お下品な表現でごめん)ってえ「フェスティヴァル形式」ってやつが嫌いなワタクシとしちゃあ、Woodstock を神話化するよなむきにゃちょとついてけません。 それに Sly & the Family Stoneが Love City、Dance to the Music、Music Love、それに I Want to Take You Higher のたった 4曲で、もはやオールド・スクールと言ってよい(なんて言うと怒るひとも多そうだな。なんでかブルース関連サイトの方、コレが好きなひと多そうだから⋯) the Who が 20 曲以上も演ってるんだぜ! てなことはともかく、この 1960 年代末あたりまでの音楽、それも特にブリティッシュ系にかなりどっぷりだったワタクシにとって、Sly & the Family Stone の音楽は「もの凄~い」ショックだったのは確かです。 例えばブリティッシュ系のロック・バンドですと、ギターならば、そのトーンにしても、フレーズにしても、「誰にも負けない」ほどのレヴェルで、言わば時代の最高峰を目指したみたいなとこあるでしょ?それはどのバンドもそうだったと思うんですよねー。ヴォーカルだってそう。どこまで高音が出るか、みたいな。 しかし、Sly はそんなことは二の次なんですよね。 大事なのは、伝えたい、と思うメッセージがしっかりとあって、それを伝えるためには、シンプルに、明快に提示する、ってこと。 まさに、すんげえワザあるけど、言ってることはたいしたこっちゃない、ってえのがそれまでの「ロックの主流」だったとき(え?それはあんまりだ?)に、ワザに耽ることなく、「どーなのよ、これ?」という問題提起を歌にして送り出してきた Sly & the Family Stone の作品に触れてしまってからは、もーしわけないけど、ブリティッシュ系のロックってのが「すべて」色あせて見えてしまい、ま、凄いことは凄いと思うけど、もう、かってほどは感心しなくなったのも確かですね。 そのような 1970 年代初頭のワタシ自身の「変節」を、すべて Sly & the Family Stone に帰することは出来ませんが、ロックとは?ということを改めて考え直すキッカケのひとつであったことは確かです。 寒冷前線が来たでえ! いつもそうだけど、前線が近付いてくると、ミョーにムシムシして、気分があまりよろしくないですねえ。通過しちゃうと、いっぺんに気温が下がって、天気は悪くはなりますが、そのヘンな不快感は消えちゃうのがフシギ。 来週には初雪になるかも・・・ |
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No.948