Mama, Mama, Talk to Your Daughter
Magic Sam
2004-12-12 SUN.
| | ま、なんつーか、ギターにおける Magic Sam のワタシにとってのベストが Sweet Home Chicago とすると(あ、以前から申し上げておりますとおり、ジョン・リーっぽい彼の高速ブーギは「凄い」とは思うけど、さほど好きではございません。やはり、このあたりのミドル・テンポのブーギがいっちゃん好きですねえ)、歌のほーでのベスト!とキメつけておるのがこの Mama, Mama, Talk to Your Daughter でございます。
原曲はみなさまもご存知のとおり、J. B. Lenoir でございまして、そちらにつきましては、江戸川スリムさまのそりゃもう実に愛情溢れる解説が氏の HP にアップされております。 興味がおありの方はゼヒこちら→ http://blueslim.m78.com/lenoir.html を訪ねてみてくださいませ。 もともとの J. B. Lenoir もかなりキーが高いハイノートでの歌が特徴なのですが、Magic Samもどっちかってえと、やや高い声域を活かしているタイプですから、そこら、採り上げるのに抵抗も少なかったことでしょう。
この曲での Magic Sam は、シンプルにただひたすらブーギを刻むことにギターを集中させ、ソロらしいソロもとらず、そこらがギター・フリークたちからすると物足りないことでございましょうが、逆にワタシみたくコピーしない人間にとっちゃ、これかけといて、ゲスト・ギタリストになったつもりでソロをのっける、っちゅーひとり遊びが出来るから、ヒジョーにケッコー。 まるでギターのオーヴァー・ダブを待ってるベーシック・トラックみたいで、とても楽しいのですよ。 でもねえ、Magic Sam の歌って、そんな難しくなさそに見えて、いざ歌ってみるとこれがケッコー大変なんですよ。以前 I Need You So Bad にチャレンジして惨敗いたしましたからねえ。
ま、マジなヴォイス・トレーニングもしてないっすから、音域は狭いし、メロディを「振りまわす(?)」スキルも無いから音が追いつかないのはワタクシが悪いのでございますが。 でも、やはり内心この Mama, Mama, Talk to Your Daughter はなんとか歌ってみたいと思っております。え?なら練習せえ?でへへ、ごもっとも。
まあ、歌えるもんなら歌ってみい!てな曲なんですが、実はそれだけじゃございません。
聞けばスグ判りますが、迷わず一直線!てなブーギの畳み掛けるようなリズム自体がもうね、ヘタなオブリなんぞ「お呼びじゃない」破壊力(?)に満ち満ちておりますのですよ、これが! ひところアンアーバーでの Sweet Home Chicago をマチャオ君に付き合って演ってみたことあるんですが、もうねワタクシなんぞとは次元が違うんですわ。
ただの「あったりまえな」ブーギ切ってるだけなのにモノスゴい疾走感! 決してテクニカルじゃない、そのかわりエネルギー感にあふれ、クルマは急には止まらない的な(?)根性スワった快走っぷり!
ワタクシみたく誰かサイド切ってくれたら「ちょっとはできるかも」なんて甘っちょろいギターじゃない、イノチってものがそのまま音になったようなブーギ。 たまりませんね。もうハナっから「こんなのオレには出来っこない」と思い知らされる音なんですよ。
なんかね、そこんとこが他のブルースマンとは全然ちゃうとこなんじゃないか?って気がいたします。彼だから出来たブルース、っちゅうね⋯
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