Standing at the Crossroad

Elmore James


2005-01-06 THU.


この Standing at the Crossroad は 1954 年の 8 月か 9 月に Bihari Brothers の本拠地 Culver City( Los Angeles を東京 23 区とすると Culver City は三鷹市みたいな位置関係かな?)で、初代 Broom Dusters( 1952年11月に Chicagoで録音した際の J.T.Brown のテナー・サックス、Johnny Jones のピアノ、Ransom Knowking のベースに Odie Payne のドラム。つまり Tampa Red のバックをそのまま受け継いだもの。ただし、資料によっては、それ以前の Ike Turner がピアノまたはギターで、それ以外のメンバー名不詳っていう 1952 年録音からその名前をバックに使っている、としております)から J.T.Brown が抜けたり Ike Turner が復活したり、という変遷を経て、James Parr のトランペット、Maxwell Davis のテナー・サックス、Jewel Grant のバリトン・サックス、Willard McDaniel のピアノに Ralph "Chuck" Hamilton のベース、ドラムには Jessie Sailes、っちゅう言わば「全とっかえ」状態の二代目(三代目?) Broom Dusters で録音されたものです。

意外とクリアなトーンで始まる Elmore James のギターのスライド・アップでスタートするこの曲は、独特の距離感のあるヴォーカルが、それまでまるで奴隷ででもあるかのように尽くしてやった女に突然捨てられて、十字路にたたずんで悲痛な叫びを上げている、っちゅーような歌なのですが、時として感情が籠り過ぎるのか(あるいは単に歌い過ぎてノドがカラカラになっただけだったりしち)高いとこで声が裏返ったりしております。それが「おいおい」って感じじゃなく、いやあキミも大変だねえ⋯なんて気になるのはワタシだけ?

そして地味ながら Ralph "Chuck" Hamilton のベースが、まさにウッドならでは(?)の重さでウォーキング・ベースをズシン・ズシンと置いてってボトムを締めています。
一方 Jessie Sailes の軽やかなブラッシュ・ワークがブラスのブーギ・パターンとあいまって乾いた情感を演出しておるよな気がいたしますねえ。

全体に Elmore James のギターは派手さの無いベーシックなプレイに終止していますが、ここでの Elmore はそのヴォーカルが突き抜けてますから、それでもいいのだ(?)。

Standing at the Crossroad にはこの他にも、New York で 1960 年に録音されたテイクがあり、そちらのバックには Danny Moore のトランペット、Paul Williams のバリトン・サックスに氏名不詳のサックス、ピアノが Johnny Ace、ギター Riff Ruffin とこれまた氏名不詳のベース、そして Johnny Williams のドラム、といったメンバーで、そこではすでに the Broom Dusters という名称が使われていないようですね。

そちらの Standing at the Crossroad ではギターの音がもっと「汚く」なり、ヴォーカルも心なしか「澄んで」ないよな気がいたします。
ま、いちばんの違いはバックでリフを吹くブラスがちょとウルサいこと、そして、このテイクではまがりなりにも(?)ギター・ソロっぽいこともしてるとこでしょか?
やはりウッドらしいベースはところどころミス・ノートが気になりますが、ま、こんなもんでしょ(なにがじゃ?)。

やはり個人的には 1954年録音の Culver City 録音のほーをおススメいたします。

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