My Little Machine

Jimmy Rogers


2005-03-03 THU.


この My Little Machine って曲、あの Eddie Taylor の 1974 年、ロンドン録音の Ready for Eddie にも収録されておりまして、その実態はイギリスのブルース系ロックのバンド・メンバーたちからなる the Blueshounds をバックにしたものです。
変にプライドばっかし高くって主役に対するリスペクトがない連中と違ってホンモノのバックつける!っちゅうことで雰囲気も良かったんでしょうね。なかなか高らかに歌い上げておられましたっけ。
っちゅうそれも忘れ難いヴァージョンなのではございますが、今日はその元ネタとでも言うべき Jimmy Rogers でございます。

一方のこちらは MCA の Blues Remaster Collection 中の UICY-3433 Jimmy Rogers / You're the One : The Chicago Blues Master に収録されていますが、これって CHESS / MCA CH2-92505(オリジナルは CHESS 2ACMB-207 ) 25 曲から

Blues All Day
My Baby Don't Love Me No More
Trace of You ( alternate take )
Don't You Know My Baby
Give Love Another Chance
You Don't Know
Can't Keep From Worrying


の 7 曲を「カットして」 18 曲にした CD でございます。

この My Little Machine は、まず Little Walter のハープが良くも悪くも全体のフンイキを大きく支配しているよな気がいたします。この独特の「重さ」みたいなものがこれはこれでいいのですが、あっちの Eddie Taylor 版のノビノビ感とは好対照ですねえ。

ところで、このライナーにはいちおー accompanists のクレジットも入っているんですが、それで見ると Little Walter のハープはモチロン、ベースに Big Crawford、ドラムが Elgin Evans となっておりまして、そこまでは別にいいんですが⋯
バックにはちゃんとピアノが聞こえているのに、クレジットではそれについての言及がまったくございません。
1951 年 7 月11日、Chicago の Universal Recording Studio での録音だと思われますが、もし The World's in a Tangle と同じピアニストだとすると Eddie Ware なんですが⋯
ん〜、ピアニストが他社との契約に縛られており、副職がバレるとマズいってこと?
それはともかく、一部ではピアノ; Eddy Ware と明記されてるケースもあるんですけどねえ。あ、ライナーじゃ単に書き忘れてただけ、だったりして?

およそ「 '50年代シカゴ・ブルース 」信者⋯うっぷす、「ファン」に言わせればここらあたりが「おタカラ」となるのでしょうが、ワタクシ個人としては「それ以前の」こんなにへヴィーになる前の、例の Ora Nelle に入れた Little Store Blues がベストですねえ。
もちろん CHESS に入ってからの Jimmy Rogers でも Chicago Bound みたいに、その名残りのあるよーなイキオイのあるナンバーってのもいいのですよ。

ま、エラそうにワタクシなんぞが言うことではないのでしょうが、どうも Jimmy Rogers ってあまりヘヴィじゃないナンバーのほーが持ち味が活きてるような気がしますけどねえ。

Gotta little Whisky, gotta lil' Gin⋯
と始まるあたり、さすが Sloppy Drunk の Jimmy Rogers だわい、とヘンな感心をしちゃいますが、Little Walter のハープと自分のギターだけ、っちゅうシンプルな構成ながら、なかなかスキの無い濃密な音世界を生み出していますね。
ここら、 Maxwell Street で、ともすると無造作に流れていってしまいがちな聴衆の脚を止めさせるための「のべつまくなし」感もございますが、それでも腰が重くない、軽快なキレの良さを失わないとこがさすが、でございます。
⋯というのは、上の本文でも触れた Barrelhouse bh-04 Chicago Boogie での Little Store Blues をここで採り上げたときの文の一部でございます。

この「軽快な」とゆうのが、某大物とは「ぜんぜんちゃう」とこなんでしょうねえ。
もったいぶった重々しさ、自信過剰な大物感な〜んてのがほとんどないってとこがイイんですよ。なんたってワタクシ「そゆの」が嫌いなもんですから!

かつて『ワタクシ、もともと、ブルースをタンジュンに「シカゴ・ブルース」とか「ヴァージニアのブルース」なんて括っちゃうのが嫌いでして、そゆ用語はあまり使わないよにしておるのではございますが、それでも、まったくのビギナーから、代表的な「シカゴ・ブルース」ってえと誰のを聴いたらいいでしょ?なんて尋かれることもあるワケでして、そんな時に真っ先に名前が思い浮かぶのが、この Jimmy Rogers でございます。』ってこと書いてますが、それくらいワタクシのイメージする Chicago ったら「あのオヤジじゃない」んですわ。

もっとも、あなた自身がどう思おうとそれは自由でございます。
ですが他人「も」どう思おうと自由なのである、っちゅうことを忘れないようにね。ツバとばしてアナタのヒイキを擁護すれがするほど「ドン引きされ」て距離を置かれますよってこと!

permalink No.1045

Search Form