Beggar or Bandit

Willie Mabon


2005-08-26 FRI.


昨年の 8 月 5 日の I Don't Know 以来ですから、この Willie Mabon も 1 年以上、開いちゃいましたね。
いえね、聴けばそこそこ面白いんですが、なんでか並んでる CD の中で、そこで手が停まることが少ない、ってのはなんででしょうね?
ま、ギターが入ってない、ってのもカンケーあるのかなあ?そんな差別はしてないつもりなんですが、どうも決定的なミリョクに「やや」欠けておるのかもしれません。あ、モチロン、ワタシにとっては、ね。
おそらく、彼が 1953 年に I Don't Know を世に出した当時(実際には 1952 年10月、Chicago で Parrot に吹き込んだこの曲は、同年11月に Parrot 1050 ─ そのときのカップリングは Worry Blues 。後に Collectable COL 034587 として市場に出回っているものはカップリングが Willie Mabon ではなく、the Marathons の Peanut Butter。なお、蛇足ついでに、同時に吹き込まれた Willie Mabon の See Me Cry と L.A. の二曲は結局リリースされなかったようです ─ としてリリースされるや、たちまち R&B チャートの 1 位を獲得し、そこから実に15 週にわたってチャートに居続ける大ヒットに!)は、まさに時代の波も捉えた、実にミリョク的なサウンドだったんじゃないか、と思うんですよ。
でも、それがいま現代では逆にアダとなってなって、ある種の「抵抗感」をもたらしてるよな気もいたします。

前述の I Don't Know の二匹目のドジョウを狙った I'm Mad と同時期の 1953 年、どうやらメンバーまでも同じ( Fred Clark のテナー、ベースは Cool Breeze Bell、ドラムが Steve Boswell。もちろん、ギターはいません)で録音されたナンバーで、このときには他に Got to Have It も入れています。
始まるとすぐ、なんだかリズムがとっちらかってるよな印象ですが、歌が始まるとブラシで打つスネアも、テナーのリフも「ところを得て」まとまるんだから面白いですね。
サックスのソロは意外とトーンを抑えめで、地味な線でまとめてますが、全体からすると、も少し華やかでも良かったんじゃ?っちゅー気はしますが、そこら、なにか考えがあってのことだったんでしょね。
Beggar = 乞食にしても Bandit = 追いはぎにしても、なかなかクラブのステージから聞こえて来る歌詞には登場しない単語なワケで、そこらをあえて際立たせたとこに歌作りのウマさがあるのかもしれませんが、もーそこらあたりはティン・パン・アレィに通じる「ポップス」の世界と同じで、いささかダウンホームなブルースとは乖離しておるワケで、そこらが逆にいま聴くと「底の浅さ」として感じられるのかもしれませんね。

モチロン、レコードを出す側としちゃ売れないよりは売れたほうがいいんでしょ。
でもそれって「音楽としての価値」よりも優先させちゃうからダメなんだ、思うけどね。

とっても偉〜い大僧正やら大主教サマ、はたまた法王サマに陛下やら猊下なんて尊称がつきそな方々には「主上に直射日光が当たらぬよう」脇侍が付き添い、巨大な日傘を差しかけてますよね。
まあ、エラい方々は階位につれて「お衣装」も「豪華かつ満艦飾」化しますから、めっちゃ暑いワケで日傘も必然っちゅうことになる⋯
ニホンの(世界の?)「熱帯化」が進行してったら、陽射しのなか日傘ナシで歩くの「自殺行為」みたいなことなのかも?

ところで、ニホン全国、ダサい!と撤去されたアーケードですが、雨でも濡れずに移動できるし、夏は日陰になって涼しかったのにねえ。
かつて土手町にはアーケードがあって、ネブタ祭りや各種パレードとなると、アーケードの上から撮影だってできましたよ。
頑丈な金属製だったから、撮影機材とニンゲンが上がれたし、「かなりな強風でも」大丈夫だったな。でもイッチバンよかったのは冬でしょ。
買い物に来る客は、車道側にヴィニールでも(引き戸も!)あれば、吹雪のときでも「歩けた」のです。
便利だったものを廃し、不便な街並みにしちゃったってワケ。

うん、まずは「アーケード=カッコ悪い」ゆう施工業者による「洗脳」を解かなきゃ!
カッコいいアーケードだって出来るハズなんですから!

旧商店街を活性化したいんなら、雨の日でも濡れずにいろんな店舗を見て回れるアーケードの復活から、じゃないのかな。そして各商店も店に入らなきゃ「どんなもんあるんだか判らない閉鎖的な店舗設計をヤメる!」
ショッピング・モールがなんで気楽なのか判る?
まずは見て歩くだけ、ができるからなんだよ。
個別の店舗化しちゃうと、入った以上、なにも買わないで帰るのはなあ⋯ちゅう「抵抗感」があるワケ。

アーケード否定論(?)ってセンスのモンダイなんかじゃないよ。
施工業者がカネになる「工事」を発生させたいだけ。

permalink No.1221

Search Form