Down in the Dungeon

the Kinsey Report


2005-09-01 THU.


the Kinsey Report の Full Moon On Main Street を前回は採り上げましたが、なんと、それって昨年の 8 月 3 日でございましたから、ミゴト(?) 1 年以上のご無沙汰だったワケですねえ。

これまで Kinsey Report と言えば、いわゆる Chicago 80's Blues とでも言うべき、ロックやファンク(そしてこの the Kinsey Report ではレゲエまでも)の洗礼を受けた、明らかに 50 年代のシカゴ・ブルースとは「違う」パワフルなブルースを演奏するユニットとして紹介してまいりましたが、今日のこの曲は Back to the Root とでも言うべき、デルタっぽい(?)アコースティック仕立ての渋い(?)サウンドで攻めてまいります(ただしコード進行はちょっとブルース進行ちゃうけど)。
ここでのハープは "Mad Dog" Lester Davenport*。

* ー "Mad Dog" Lester Davenport ; 1932 年 1 月16日、Mississippi 州 Tchula 生まれ。14 才で Chicago に来て、以来 Arthur Spires や Snooky Pryor、Homesick James、Bo Diddley とも交流し特に Bo Diddley の Chess レコーディング( Bo Diddley、I'm A Man、You Don't Love Me の三曲でハープ。このときのドラムは三曲とも Frank Kirkland でピアノは I'm A Man の Henry Gray を除き Otis Spann。その他の録音では Billy Boy Arnold や Little Willie Smith などのハープ)にも関わったようですね。
おなじみのデイ・ジョブとしては塗装業で働いてたようですがすぐに自分の率いるブルースバンドもあったようですよ。1994 年から Kinsey Report に参加し、自分名義のアルバムもリリースしていたのですが、2009 年 3 月17日、前立腺ガンのためシカゴで死亡しています。
あ、そのアルバムのタイトルが "I Smell A Rat"ちゅうんですから面白い!マッド・ドッグの異名を持つオトコがネズミの匂いとは!

Roosevelt Purifoy のピアノは控えめで、前面に「出るべき」アコースティック・スライドをジャマしないよう、慎ましやかにレヴェルを抑えられ、また Kenneth Kinsey のベースも、ホントならウッド・ベースなんぞ入れたいとこなんでしょが(なんちて、そー思ってるのはワタシだけかも)、そこはエレクトリック・ベースでやっちゃってますが、それがスポイルしないように、これもレヴェルは控えめ、ですから Ralph Kinsey のドラムだって、とーぜん手数を抑えてスネアにブラシっちゅう感じで、なるべく「昔っぽく(?)」サウンドを作り上げてってますねえ。
サイドは Will Crosby。

ところで、ぜんぜんカンケー無いハナシで恐縮ですが、この全体の流れ、また特にベースのパターンなんぞを聴いておると、ナゼか久保田麻琴ちゃんの「河を下って 」を「強く」意識しちゃいますねえ。

ところでタイトルのダンジョンってのは地下牢、てな意味らしいですね。
Kinsey Report のナンバーって、あの「けったくそ悪い月が昇りやがる」みたくダウナーちゅうか「滅入る」方向のナンバーってのがミョ〜に合ってるよな気がするな。

ところで I Smell A Rat に似たタイトルの I Smell Smoke っての演ってた Michael Burks や All Your Affection Is Gone つながりの Dion Payton、そして今日の Kinsey Report みたいな 1980 年代以降の新しいブルースあたりを「やはり」こんなのブルースじゃねえ!ぬかすのがリッパなブルースマニアだ!と思い込んでるパ〜たれ、ってケッコ〜いやがるんですねえ。Joe Louis Walker の良さがわからないなんて!知識じゃなく感性ってもんのカケラも無いのか?
で、またそゆヤツって決まって泥水野郎以降のシカゴしか知らねえのが多いんだよな。
Willie Brown や Black Ace、Bo Weavil Jackson、Blind Willie McTell、Buddy Moss なんて聴いたこともねえってか?
いいか!ブルースは 1950 年代のシカゴで「初めて生まれた音楽」じゃねえんだよ!
あ、それとはまたちょっとちゃうハナシなんだけど、オレ、ブラインドボーイ・フラーってのが「ぜ〜んぜん」好きじゃねえ(どころか「ケッ!」てな嫌いよう⋯)んだけど好きだってゆ〜ヤツ多いみたいだねえ。
別にカンケ〜無えからいいんだけどさ。なんでなんだろな、ど〜にも気に入らないんだよ。なんべん聴いてもダメ。良さなんて判んない。
ワタクシの場合、自分の「好き嫌い」こそが最優先ですからねえ。
嫌いなもんを克服して好きになろう、な〜んてゼッタイに思わんっ!なのでここではゼッタイに採り上げねえから!がははははは〜

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