Five Long Years

Kid Thomas


2005-10-28 FRI.




Rosa Louise Parks に Emmett Louis Till と、1950 年代に於けるアメリカの黒人の受難の話題が続きましたが、その意味では今日の Kid Thomas は「1970 年代の犠牲者」でした。

2004 年 6 月15日付けの BLUES日記、Willow Brook Blues で詳しく紹介いたしましたが、この Kid Thomas もまた白人によるリンチによって殺害されています。
彼の場合は交通事故を起こし、白人の少年を死なせてしまったのですが、その件に関しては「無罪」とされたものの、それに怒った少年の父親に射殺されてしまったものです。
そしてもちろん「白人が、息子を死なせた黒人を射殺した」くらいで「白人陪審員による刑事裁判」で有罪になるハズもなく、この父親は「無罪」となったのです。

この BLUES日記では、ことさらにそのような「特異な例」ばかり紹介して「アメリカ観」を、故意に歪めようとしている、とでもお思いですか?
ま、そのよーにお思いになるのもみなさまの自由ではございますが、そのように考えるかたはどうぞこのブログからは退出してくださいませ⋯
つ〜か二度と来んなカス!

実際の人種差別はいまだに継続しているし、アメリカの白人の大半には「人種差別はいけないことだ」などとゆう「当たり前なこと」すら理解できない、いや理解したくない、既得権益として死守し続けるクズどもがタップリいて、表面的にはオレは黒人を差別なんかしたことない、てな顔して「関わらないようにしてる」けど、なんで同じ白人に「それは間違っている」とヤメさせようとしないのか?
そう。あいつは裏切り者だ!ゆうレッテル貼られるのがイヤだからだろ。
その程度の勇気もない、ってのは現状を維持してこうとする差別論者どもを「助けている」ことなんだよ。
そんな白人どもが差別問題に向き合うことはせずに、アメリカが生んだ偉大な音楽だ、てなゴマ摺りくさって、非黒人どもにウケる、カタチだけの上澄みブルース演ってカネ稼ぐ。
ホント地獄絵図だな。


⋯さて、その Kid Thomas が Los Angeles で 1968 年の 9 月に録音いたしましたのが、この Five Long Years(同時に録音したのは Cozy Lounge Blues ですが、それとカップリングでシングルとしてリリース、っちゅうワケではないみたい⋯)なのでございます。
Kid Thomas 自身のハープとヴォーカルに Joe Bennett のギターで、残りのベース&ドラムについては記録が残っておりません。
妙に「手練れ」感のある(?)Joe Bennett のギターをバックに、一瞬 Buddy Guy にも似てるなあ、って感じるよな Kid Thomas のヴォーカルがリヴァーブたっぷりで流れ、まあ、決定打に欠けるっちゃあそうなんだけど、なかなかウマい唄いっぷりで聴かせてくれます。
そしてハープのソロとなると、これがまた、ヴォーカルとギターの「メローさ」とはちょっとちゃう、「プリミティヴさ」みたいのがあって、結構オモシロいんですよ。

おっとっと、カンジンなことを言うの忘れてました。「一瞬 Buddy Guy にも」⋯なんて言うとよけーにそう思うでしょうが、なんと、この Kid Thomas の Five Long Years ってのは、みなさまご存知の、

Have you ever been mistreated・・・

と始まる、「あの」Eddie Boyd の名曲である Five Long Years とは「縁もゆかりも無い」まったくの「ちゃう」曲なのでございますよ。
いやあ紛らわしいですよねえ。

おヒマな方は話のタネにゼヒ一度、聴いてみてくださいませ。
収録アルバムは JSP JSPCD 2146 Rockin' this Joint Tonite 以外には無いでしょうけど。

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