Ain't No Sunshine

Freddy King


06-01-21 SAT.




ほぼ 2年前になる 2004年 1月15日にも、この Freddie King の Ain't No Sunshine を採り上げておりますが、それはモチロン「あの」Texas Cannonball に収録された隠々滅々(?)たるヴァージョンのほうでございまして、重たく流れるストリングスなんぞの重圧に喘ぐがごとく、まるで「虫の息」、てなダウナーな曲調でございました。

⋯が、本日の Ain't No Sunshine は、これもまた Ann Arbor 1973 でのライヴです。
ライヴだけあって、さすがに、あんな「しんねりむっつり」じゃなく、だいいちリズムからしてもっとファンクっぽく、イキが良くなっております。
つうか、も〜 Charles Miles のドラムが⋯やかましっ!
特にキックがズゴゴゴゴ⋯と連打かましてますからねえ。
ですからせっかくの Bennie Turner のスラップっぽいベースのディテールにカブっちゃって、台無し。

ここでは Deacon Jones のハモンド B-3 も加わっておるのですが、それほどは目立ちません。
むしろ Bob Wilson のピアノのほーが活きてるかもしれません。
ま、なんたっていっちゃん目だってるのは前述のとおり Charles Miles のキックなんですけど。

そんなゲンキが良すぎるリズムに乗せて、それでも、この Bill Withers の名曲を、じっくり歌おうとはしてる Freddie クンなんですが、Miles クンも張り切り過ぎで、やや暴走気味なのはやむを得ないとこでしょか。
彼のギターは、ま、あの特徴的なチョーキング・リフこそ「見せ場」にはなってますが、やはり、なんと言っても、このゲンキの良すぎるリズムが、さすがライヴ!てな「粗さ」ももたらしているようで、どうしても Texas Cannonball に比べると「陽性」に振れ(過ぎ?)ているような感じがいたします。

あ、曲に入る前にメンバーのイントロダクションをやるんですが、そこで、最初にちょろっとギター・ソロを入れてるのは Freddie King ではなく、バックのギタリスト Andrew Jones ですからお間違いなく。

ところで⋯みなさまは「もっちろん」この曲のオリジナルである 1971 年の Bill Withers のテイクをご存知でしょうね。
実はワタクシ、この曲に最初に触れたのが Freddie King の Texas Cannonball だったのでございますよ。
それがあるとき、某 Podcast 流してたら、なんか歌詞が聞き覚えある?てな気がして意識を集中したら⋯ゲゲッ!これって!
となったのですが、そう、その冴えない(シツレイ!)ヴァージョンこそが Bill Withers の歌ってるオリジナルそのものだったのでございますよ。
ケッコ〜長いこと Freddie King のに親しんでたせいでカヴァーにしちゃずいぶんパワレスだな、なんて思ったのですが⋯まさかねえ、それがオリジナルだったなんて!

細く頼りないヴォーカル、なんて感じたのは Freddie King と比較しちゃったせいでしょう。
てなことはともかく、Billy Withers がこの曲を作るキッカケになったのが映画「酒とバラの日々」だった、ちゅうのにいささかビックリいたしましたよ。
まことにもってシツレーながら Julie London の歌った Days Of Wine And Roses のインパクトに「はるかに及ばない」なんて思うワタクシのココロがイカレてるんでしょうねえ、きっと。

Billy Withers のヴォーカルにチカラが無いと思うのは、たぶん「このタイプ」のヴォイス自体に馴染めない、っちゅ〜ワタクシの偏屈さ(?)が関係してるのかもね。
ワタクシときどきブラック・ミュージック好きな方々に睨まれるよなこと平気で言いますから。
マーヴィン・ゲイたらゆうひとのホワッツゴーインオンなんて「ぜ〜んぜん」イイなんて思わない⋯どころか理解出来ん!なんてほざいてますからねえ。
まあ、この Billy Withers に対する無関心ちゅうか無理解もその一種(?)なのかもしれないな⋯

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