Cherry Street Blues

Little Hat Jones


06-02-07 TUE.




なんせ新しいスタイラスがやっと届いてアナログ・ディスクが聴ける、ってんでここんとこずっとターン・テーブルに乗りっぱなしの Yazoo L-1032 Blues From the Western States (1927-1949) ですが、んなワケで今日もそこから Little Hat Jones の Cherry Street Blues でございます。

Deep Ellum と縁が深かったのではないか、と思われる Little Hat Jones ですから、その界隈を当たってみたのですが、どうも今のとこ( 1930 年当時は判りませんが)Dallas には Cherry Street という街路は見当たらないようです。
North Carolina の Black Mountain などにも Cherry Street はありますが、そのアクセスから考えると、むしろ同じ Texas 州 Fort Worth の Cherry Street のほうが「それ」かもしれませんねえ。
Little Hat Bluesでも触れましたが、このひとのブルースって、前奏部分から歌に入ると、とたんにスピードがガクっと落ちるってえトクチョーがあるんですが、この Cherry Street Blues ではそのようなこともなく、割とまともなペースで歌われています。

しかし、この手の戦前ものの録音は、ソースとなった SP 盤由来のものを含め、ある意味、スクラッチ・ノイズがミョーに似合い(?)ますね。
そして意外なのは、そんなアナログ・ディスクから MP3 に変換し、H/PC 本体に実装されてるちっさいスピーカーから鳴らすと、これまたなかなかイケるのでございますよ。
で、それに気を良くしたワタクシはやや厚手のケント紙を円錐形に丸め、ムカシの蓄音機のラッパ、つまりストレート・ホーン(あ、ストレートつっても太さが変わらない、って意味じゃなく、指数的や対数的にじゃなく、「直線的」に断面が大きくなる単純な円錐、っちゅーことねん)の形にして、そのいっちゃん奥にインナー・イヤー(っつうの?)ヘッドフォンをほりこんで音を出してみたら、うわわ、いいですねえ、このチープさ!音量はたいしたことありませんが、この「鳴り方」、おそらくレゾナンス成分とかによるものなんでしょうが、実にもうノスタルジックな響きで、なんとも言えん味わいがありますよ。

先日、友人につきあって家電量販店めぐりをしたときに、トップにアナログ・ディスクのプレイヤーを持った垂直キャビネット・タイプの「ばったもんの」ヴィクトローラみたいなオーディオ・セットを見かけましたが、そこまでやるんなら、あのストレート・ホーン(いわゆる「朝顔」ってヤツですね。でも別なオーディオ・マニアの友人は、さすがに「ご年配」なだけあって、「朝顔?朝顔って言ったら小便器のことだぞ」なんてワケ判らんクレームをつけておられましたが⋯)をアレンジして、その奥にちっさいスピーカー仕込んだ「なんちゃって蓄音機」ての作ってみたらどう?

CD(コーヒー・ミルみたいに前の引き出しを手前に引くとそこが CD トレイになってる、なんてのがいいなあ)を再生してるときでも、ターン・テーブルにはダミー・ディスクが回ってて、スイッチひとつで CD の音にもスクラッチ・ノイズを「合成」できるようにする!
え?売れない?⋯ やはし?
かもねえ。

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