Got My MojoWorkin'

Magic Sam


06-02-27 MON.




さて、Got My Mojo Workin' っつうとみなさまはやはり「泥水親父」なんでしょかね?
ワタクシは、そりゃもうなんと言ってもあのクソじ⋯うっぷす、Clarence "Gatemouth" Brown がイッチバンですねえ。
あの「しれっ」とした顔で始める独特のリズム・パターンが聞こえてくると、もーワクワクしちゃって、カネ勘定なんてしてるときだと札の枚数を数え間違います⋯なんちて、すいません見栄はりました。ここんとこ、そんな「間違えるほどの枚数のお札」には縁がありませ〜ん、ハイ。
Non-Reverse の Gibson Firebird の、3フレットあたり(だったと思う⋯)にカポタストをセットして、なんでかネックを握る親指はそのカポタストの向こう、2フレットあたりにあって、よくあんなんで弾けるよなあ、なんてくだらないとこに感心してたもんですが⋯
で、ふつー Got My Mojo Workin' ってステージの最後なんかに、グワっと盛り上げて終ろう、っつー感じで場内も一緒になって「ぶるるるる⋯」なんてやるのがイメージでしょ
それがさすが、っちゅうか、ワタクシ同様ひねくれてるっちゅうか、そうゆう「さあ、みなさんもご一緒に!」てなスタイルでは「ぜんぜんない!」のですよ。
なかなかにトリッキーながらちょいファンキーなそのリズムは、リズム感の悪い聴衆じゃ手拍子すら「打てない」、いえそれどころか、特に名を秘しますが、かって地元の某「自称」ドラマーが、最後までこのリズムを「まともに」理解できなかった、てなくらいですから、聴衆参加型の、いまで言う「インタラクティヴ(ウソばっかり!)」なコミュニケーション(?)つーものをハナから放棄しとるワケで、そこら実にいさぎ良くて好き。

次が Frank Frost でしょ。これはまた対照的に、ごっつストレートなリズムで、でもルースさもたっぷり、っちゅう独特なスタンスで「忘れ難い」ヴァージョンでございます。

そして本来のオリジナル(あ、作者は違いますけどね)Ann Cole(これって、アナウンスすると Encore と間違われそうだよねー)のもなかなかに味があっていいですねえ。
かなりシンプルなリズムで、バックにはドゥー・ワップ・コーラスみたいなバックをつけるんですが、それ、やってみると、「デュデュ」とか「デュ~ワッ」なんてのがなかなか楽しくて(?)、クセになります。
ま、このアレンジもどっちかってえと聴衆と「大合唱」ってスタイルじゃないかも。

そこいくと、やはり「さあみなさんご一緒に」ってのは、「泥水親父」を始祖とする(?)んでしょか。
特にあの Fathers and Sons の与えた影響が特に大きかったんじゃないかな。
で、この Magic Sam の Got My Mojo Workin' も基本的にはその系譜に連なる、と言ってよいでしょう。
この Alex Club での録音が 1963 年の 10月ですが、「泥水」の Got My Mojo Workin' がリリースされたのは 1957 年で、Chess 1652 、Rock Me とのカップリングでしたから、とーぜん聴いていたハズでございます。

ま、おそらく素人さん(なんですか、どっかで白人のファンだ、とかってのを読んだよな気が⋯)が録音したソースらしいんで、バランスが悪く、カンジンの Magic Sam のヴォーカルよりも回りの音のほ〜がウルサくて、ちと聴きづらいとこもありますが、それでも意識を集中して「ココロの」ノイズ・キャンセラーを「アクティヴ」にして彼のヴォーカルを追うと、もちろん彼らしさ、ってのも充分に出てはいるんですが、そのプロト・タイプとなった「泥水」スタイルがやはり汚泥として臭っておるのを感じちゃいますねえ。
それでも、やはり声を張るところ、また逆に力が抜けた一瞬などに、それこそ Magic Sam らしさが匂いたち、さらにギターとなると、こりゃもう「まさに」ってサウンドで、その「濃さ」が実に「いい」ですね。

ここで、フと我にかえると(?)、けっこー Eddie Shaw のサックスが「うるちゃい!」
いえいえ、たぶんこれは録音したときのマイクの位置のモンダイでしょ。
おそらく、この日、この場に居合わせたお客さんには、もっと「ちゃんとした」バランスで聞こえてたハズ⋯
そして「お約束」の大合唱パターンもきちんと踏襲して、まさに「正統派?」 Got My Mojo Workin' の夜は更けゆく⋯

収録アルバムは Delmark DG-765、Rockin' Wild In Chicago
日本では P-Vine からリリースされています。

ところで昨日、ドサクサ紛れ(?)に Yoshika を採り上げたら「さっそく」え?こゆのも聴くんですか?ちゅう反応をいただきました。
ええ、こうゆうのを必死で探し回ってたどり着いた!な〜んてことはまったく無くて、とあるかたのプレイバック・リストに連なってたのを聴いた瞬間に電流が走り(?)だっ、誰やこれっ!と胸ぐら掴んで揺さぶった⋯ちゅうのは「もっちろん」ウソですけど、そこで Yoshika ちゅうひとだ、と知ったワケでございます。

その歌のクオリティにヤラレちゃいましたね。で、ついでと言っちゃナンですが、その容貌もイヤミがなくてよございました。
まあ、ふだんブルースをメインに聴いてるせいか「歌としてのクオリティ」だなんて概念なんてまるっきりなかったんですが、Yoshika にはアット〜されちゃいました。
どっちみち「縁の無い世界」ではありますが、そのインパクトにヤラレてめったないジャンルのシンガーをこのブログに登場させちゃいましたよ。

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