Eager Beaver

Maurice John Vaughn


06-03-31 FRI.




なんと、この Maurice John Vaughn、前回が 2004 年 5 月26日ですから、まもなく丸二年になっちまうとこでした。
そのときの Nothing Left To Believe In は 1987年の録音でしたが、この Eager Beaver が収録されているアルバム、Alligator ALCD-4813、In the Shadow of the City は 1993 年のリリースです。
前回でも言及いたしましたが、この In the Shadow of the City では(そのジャケットの画像を信じる限り)Gibson Les Paul Signature ってえギターを使っているんじゃないでしょうか。



名前こそ Les Paul となっていますが、その成り立ちはちょっと変わっておりまして、フツーにギターを構えたときの弦から上半分が ES-335 系のボディなのですが、弦から下半分は、いわゆる Les Paul のデザインを採用しており、そのため、「まったくの」左右(いや、上下か?)「非」対称っつう、実にイカレた外観を持っております。
そしてイカレておるのはその外観だけではなく、その回路がまた、いかにもスタジオ向き、っつうか、ライヴじゃちょっと不便かも?っちゅうワケ判らない配線になってまして、一見 2V / 2T ですが、実はこれ、マスター Vol.にマスター Tone、そして PU の位相切り替えとアウトプット・インピーダンスの切り替え、っちゅう「なんじゃそら?」てなことになっております。
特に最後のなんて、ライヴじゃまったく使い道が無さそうですから、まあ、もしこいつを「貰った」りしたら(買いませんよ、こんなヘンなギター)たぶん自分で改造して 2 つの PUのバランサーにしちゃうね、きっと。

⋯てなことはおいといて、この Eager Beaver、その Les Paul Signature のキャラクターを活かしてるんでしょか?
かなり硬質なトーンながら、Fender 系よりは粘る感じのクリーンなトーンが、そう言われてみれば、確かに Fender 系じゃ出せない味を持ってるよーな気もしないではありませんが、なんせワタクシ、けっこー疑り深くなっておりますので、このジャケットで彼が構えておるこの Les Paul Signature が「実際に」レコーディングでも使われておった、てな信頼できる証言でもない限り、安易に断言はできん、と思っております。



ところで 1984 年にベルギーの Blue Sting の STING 002( 1988 には Alligator から AL 4763 としてリリース)Generic Blues では、ベルギー盤のジャケ写 ↑ じゃ H-S-S らしきストラトが登場しております。
センターの P. U. もなんだかイカレてますから改造してるのかも?

さて、なかなかファンキー寄りなリズムに乗せて、過剰にリキまない平熱の(?)ブルースが流れて行くのですが、このコンスタントなテンションも、案外、聴いてて快いんですよねー。
音質的にはちと「甘い」んですが、二連で攻めてくる Freddie Dixon のベースは独特なスウェイ感もあって、この曲には合ってるみたい。
ドラムは Bill Leathers。
そして、これはたぶんに個人的な嗜好のモンダイですが、ここでのピアノ( Kenny Baker )は「あまりにも」ディジタル臭さがちょっと気になって白けちゃいました。
そりゃ Fender Rhodes みたいなミもフタもないよな「電気臭さ(?)」ではないんですが、それでも、これ Casio の KT シリーズじゃねえの?っちゅう安っぽい疑似ピアノ音は、いささか興醒め、でございます。
ま、さらにそのフレーズっちゅうかバッキングも「陳腐」なもんでよけー「耳障り」なのも確かなんですが。

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