Alligator Shuffle

Lazy Lester


06-06-05 MON.




実にイキのいいブーギ・パターンを切るギターでおっぱじまるこのリズム、どっかで聴いたことあるぞ?⋯と遠~い記憶の中を探ってみたら、これってあの囚人バンド the Confiners の Harmonica Boogie ( Muskadine M 102、Packin' Up My Blues に収録)なんてのに似ていませんか?

そりゃもちろん、こっちは「最新の」録音設備で高音質でレコーディングされておりますから、そこらの差は歴然としておるのですが、ま、こー言っちゃなんですが、なんだか威勢がいいんだかお調子もんなんだか、どこまでも付きまとう「のべつまくなし」感が、なんだかとても似てるよな気がするんですよねー。

でも、こんな「べたな」ブーギがまたなかなか Lazy Lester らしい、っつうか、彼ならでは、っちゅうアクを感じさせてくれて好きなんですよ。
これも先日の Take Me In Your Arms 同様、Alligator AL 4768、Harp & Soul に収録されたナンバーです。
イキのいいブーギを切っていたのは Kenny Neal(じゃないか、と思う⋯)、ピアノはさほど流麗でもなく、また「あの」特徴的なリフも出てこないので、これはたぶん Lucky Peterson ではなく、つい先日亡くなった白人ピアニスト Teo Leyasmeyer のほーでしょう。
ベースは Bob Greenlee、ドラムには Floyd Miles、あるいは Denny Best となっています。
なお、ギタリストは他にも Robert "Town Crier" Thomas、Ernie Lancaster、Pete Carr の名前もクレジットされてて、基本 Kenny Neal のギターをまず据えて、それプラス他の三人のうちの誰か、らしいのですが、どれがどれやらよー判りまへん。
そこら「さすがの」Discogs もどうしょうもなかったらしく、ピアノ?Teo Leyasmeyer「でなきゃ」Lucky Peterson、てな「い〜かげんさ」なのは、たぶんスタジオ・オーナーの Bob Greenlee が演奏する側に回っててたので、パースネルをしっかりメモってなかったんじゃねえの?ちゅう疑いが⋯

実はこのアルバムも Florida 州 Sanford の Kingsnake Studio(資料によっては、「分割」して King Snake と表記しているものもあります)で、スタジオのオーナーかつベーシストでもある Bob Greenlee のプロデュースで録音されたもので、したがって普通に言う「録音時」に、プロデュースで Bruce Iglauer の手は入っていません。
オリジナル・マルチ・トラック・マスターはシカゴの Streetville Studios に持ち込まれ、そこでのミックス・ダウンで初めて Bruce Iglauer が立ち会う、という形になっています。

しかしそれにしても、さすが Lazy Lester、なんともいいユルユルさ加減ですねえ。
こんなことゆうと、Lazy Lester を崇め奉っておる信者(?)のみなさまからはフクロ叩きにされるかもしれませんが、このひとのヴォーカルってのがねえ、昨日の Luther Allison とはまたちょっと違う位相で「なっちょらん!」とこが実にイイのでございますよ。
なんかさあ、市井にタマにおりますでしょ、あの角の豆腐屋のシュウジさん、ほんとにいい声してるよねえ。ヘタなプロよりいいよ!な〜んて褒められちゃうよな「美声」やら歌の「巧さ」っちゅう「わかりやすい」順位づけじゃなく、「味がある」とか「ユニークだねえ」なんて言われるよな意味合いで「すっばらしい」個性を持った歌声なんだよな。
なんか人を喰ったような独特な「抜け加減」ちゅうか「いいかげんさ」みたいなもんが実にいいテクスチュアを作り上げておる⋯っちゅうのもはたで勝手に言ってるだけで、たぶん本人にしたらワシはこうなんじゃ!てなナチュラルさなんでしょうよ。 で、だからこそイイのですが!

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