Luther Allison

Alligator Tales vol.53


06-12-06 WED.




さて、ここでシリアルの混乱が楽しい(?)Trumpet リイシューものからはいったん離れ、AL-4700 から始まって、もう 4800 番台に入っている、通常のシリーズに戻ります。

AL-4818 は、チャーリー・マスルホワイトの In My Time でした。
ま、それだけかいっ?と言われそうですが、あまりキョーミも無いのでスルーしま〜す(!)

続く AL-4819 は同じハープながら、かなり異色の存在と言ってよいでしょう、ニューヨークはハーレムで、あの Apollo Theatre でダンサーをしていた、という母から生まれた Sugar Blue の Blue Blazes です。
かねてから白状しておりますとおり、ワタクシ、ことハープに関しましては、その具体的なテクニックなど、まったく詳しくはございません。したがって、あくまでも印象だけで語らせていただきますが、なんだかこのひとのハープって「ヘン」。
タマにいますよね、ギター弾きながらハモニカはスタンドに固定して、歌の合間に「ただハモニカ通して呼吸してるだけ」みたいな、まるで演奏になってねえじゃん!てな「どフォーク」やってるヤツ。
その「ハモニカ」で出てくるよな「なんも考えとらん、そこにその穴があったから出ちゃった」てな音、つまりまともにブルース・ハープやってたらふつーは紛れこまないよな音が「混じってる」よな気がすんですが。
あの Billy Branch も初期にはブルースじゃない音楽にも馴染み、それが彼の現在のハープ・プレイに「ふくらみ」を与え、そこで彼のたどる音階が、実によく吟味されて送りだされているんじゃないか?てな印象を持っているんですが、この Sugar Blue の選ぶ音には、そういう「ふくらみ」ってよりは無頓着な荒さを感じてしまいます。
ま、こんな言い方は大袈裟すぎるし、そこまで言わんでも、てな気もしないではないのですが、この音を聴いた第一印象は「魂が荒廃してる」でした(!)

歌については、充分に魅力を持っているんじゃないでしょか。
その歌い方が、いかにも Apollo Theatre のステージに「映え」そうな、やや演出過剰で、かつ意地悪なワタクシに言わせれば「空疎な」ものだとしても。
ところで、このアルバムはクレジットによれば、Alligator とライセンシーのある日本の「キング・レコード」の製作だったようですね。
いちおう録音は Chicago の「お馴染み」Streetville Studios ですが、録音時にも、またマスタリング時にも Bruce Iglauer はまったくタッチしておりません。
一種の「逆輸入」ってヤツでしょか。

あ、それと、この録音には Motoaki Makino というギタリストの名前がクレジットされてますが、これって日本人ですよね?江戸川スリムさまならご存知かも?⋯と思ったら、やっぱりね!
氏のホームページ BlueSlim に、まさにこの二人、Sugar Blue & 牧野元昭がドォ〜ン!と載ってるじゃあないの!うひ〜、さすがざます!
なんだかこの二人、ただもんじゃなさそうですねえ。特にこのギターのひと、相当スゴいみたい。
その記載によれば Blue Blazes は 1993 年の製作(やはり日本のキング・レコード!)で、それが Alligator からは 1994 年に、ってことだったようです。
Suger Blue にしても牧野元昭にしても、この江戸川スリムさまのページに詳しく載っておりますので、ゼヒご参照くださいませ。

そしてこの 1994 年、最大のニュースは、ってえとこのひと!Luther Allison の登場でしょう。
あの Albert Collins は 1986 年の Cold Snap を最後に他社に移籍し(ただ、Albert Collins 自身は Alligator に戻りたい、と Bruce Iglauer に漏らしていた、といいますが)1993 年の 11月24日にこの世を去っていましたから、久々となる「大物(?)」と言えるかもしれません。
その Luther Allison の Alligator デビュー作、AL-4820、Soul Fixin' Man はかってそのタイトル・チューンをこの日記でも採り上げています。( 9 Sep. 2003 )
ただし、このアルバム自体はドイツの RUF が製作したアルバムだったハズで、そちらからは Bad Love のタイトルでリリースされておりました(って実はワタクシが持ってるのも「そっち」のほうなのね〜)。
録音はドイツではなく、Memphis の Ardent Studios で行われ、ミックスダウンまですべてドイツ側の手で行われ、したがってこれには Bruce Iglauer は関与しておりません。

なんだか相変わらずな「切羽詰まったような」余裕の無いヴォーカル、これがヘンに「いい」んですよねー。
こんな言い方はまことに失礼とは思うんですが、「最後まで小物」っちゅうか、誰もが認める「ブルース・ジャイアント」じゃないとこがこのひとの「味」でございましょう。
ま、そこを好きになれるかどうかで、このひとの評価は決まるのかも。
そしてとーぜん、ワタクシ、Luther Allison、大の「お気に入り」でございます。
このチープさ、たまりまへんなあ。



陽が射して路上の雪もほとんど消え、空を見上げれば青空、っちゅうまことにいい日より、てな感じですが、どっこい、実際に自転車で走ってみると判るんですが、意外と気温は低くって、ピキピキなんですよねー。
あの大きめな雪片が舞ってるときって、案外そんなに寒くないことが多いんだけど、ちょうどその反対。見た目はいいんだけど⋯


でも、ネが「おめでたい」わたしですから、雪が消えて、しかも陽が射してる、ってだけで嬉しくなって ROCK 4400 で出ちゃうのだ。
ええ、さすがに耳の先はちょと痛いくらいでしたし、ハナも痛かったですよ。


久しぶりの本日の夕焼け、なかなかいい存在感がありました。
でも明日の予報はまた雪だって⋯

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