Fence Breakin' Blues

Shreveport Home Wreckers


2004-05-13 THU.
昨年 8月 3日付の Evil Hearted Woman Blues のところで登場いたしました Oscar "Buddy" Woods をギターに、ヴォーカルが Ed(あるいは Eddie )Schaffer、というコンビで 1930年 5月31日に吹き込んだもので(もう一曲は Home Wreckin' Blues )、その吹き込みは、彼らを Shreveport の街頭で「発見」した、と主張する Jimmie Davis サイドの資料では、彼がレコード会社に紹介したことによる、となっております。

8月 3日にも書きましたが、Oscar Woods についてのめぼしい資料はまだ見つかってはおりませんが、ただ出生地については Shreveport ではなく、同じ Louisiana 州ながら、Natchitoches 近辺ではないか?とする資料に遭遇しております。また生年についてはやはり確実なセンが出ておらず、早い方は 1892年から、遅くとも 1900年あたりまでに諸説が分布しており、いずれも推測の域を出ないようです。
1925年には Shreveport に腰を落ちつけたとされますが、資料では re-settled in Shreveport とありますから、それ以前にも同地にいたことがある、ということでしょうか。

そして、Ed あるいは Eddie Schaffer もご想像どおり、それ以上に判っておりません。
でも、Uncle Dave Lewis によれば Ed を Guitarist としておりますので、Shreveport Home Wreckers での彼のパートは、ヴォーカルとカズーだけではなく、サイド・ギターも含まれていた、と考えるべきでしょう。彼については他にめぼしいことは見当たらず、やはりナゾのままでございます。
ま、仕方がございません、ここはひたすら、彼らが残したこの貴重なトラックをじっくりと味わうことといたしましょう。

Yazoo L-1026 BOTTLENECK BLUES Guitar Classics 1926-1937 の背面ライナーによれば、ここでの Oscar Woods はギターを膝の上に水平に置いて、スパニッシュのオープン A のナイフ・スライドで弾いているそうです。
そのイントロに続いて入ってくるカズーはおそらく Ed Schaffer によるものだと思います(たぶん、ね)。そしてヴォーカルは意外と(?)落ちついたトーンで、控えめに唄っており、おかげで Oscar Woods のギターがとてもよく聞こえます。彼が使っていたのは National Resonator の Tri-Plate と言われておりますが、写真などで確認したワケではないので保証はいたしかねます。
そして「のどかな(?)」サイドを切っておるのが Ed Schaffer と。

この二人の録音は Document DOCD-5143 Texas Slide Guitars に、この曲と対になったような Home Wreckin' Blues が収録されています。それとは別に( Shreveport Home Wreckers 名義ではなく Ed Schaffer & Oscar "Buddy" Woods で)Flying Crow Blues というのもあるらしいのですが、そちらには未だ遭遇しておりません。なにやら It Came From Shreveport-Bossier とかゆう V/A には収録されておるらしいのですが・・・
それは、例の Jimmie Davis のバックとして Shreveport Home Wreckers が参加した Texas 州 Dallas での 1932年 2月 8日のレコーディングの際に、Davis 抜きで 2曲入れたときに Ed Schaffer & Oscar "Buddy" Woods ─あるいは Eddie and Oscar(というのも「Shreveport Home Wreckers」は Davis 込みの、人種混合の稀有なバンドとして出そうとしていたため?)の名義を使用したらしいのですね。だからホントはもう一曲あると思うんですが、現在のところ、その曲名にすら辿りついておりません。

一説では Robert Johnson の Love In Vain の中に Flying Crow Blues の一節が使用されておるとのことでございます。



夜になって、えどすりちゃまが板にカキコ、っちゅーお知らせがケータイに来たので入ってみたら、チョー強力な HG(ここはドイツ語におけるアルファベットの「読み」をあてはめてくださいませ)ネタで、なんだか、このまま流して(この掲示板の過去ログっての採ってないもんで)しまうのはモッタイないよな「ステキ」な逸話でございますよん。
こんなオモシロいハナシを忘却の彼方に失うのは「ブルース界の損失である」つーリクツで、勝手にここに転記しちゃいま~す!ここから引用する場合は必ず「by 江戸川スリム」のクレジットをお忘れなく!

Bald 投稿者:江戸川スリム  投稿日: 5月13日(木)20時47分46秒

これまたシカゴでのお話し。
Tail Draggerって言う、ダウンホームなブルースマンが居るってんで、ウエストサイドのクラブへノコノコと出掛けました。
彼がデルマークからデビューする前で全く無名だった頃です。

見るからにヤバそうな町並みの中の、ちょーヤバそうなクラブ。
意を決して中に入ると、そこは真っ黒けのけー。
オマケに、当のTail Draggerさんは殺人を犯して来週にも刑務所に入るって事でした。
(なぜ殺人犯が外でギグしているのかよく分かりませんが、アメリカの法制度は事情が違うんでしょうね)

マディやウルフの曲を眼光鋭く歌う、Tail Draggerさん。
突然、「@%#*!」(英語聞き取り不可)と叫んでバンドに指示を与えると、周りのオバチャン方が「キャ~!」と大歓声。
そして始まったのが My Head Is Bold という曲でした。

驚いたのは、歌い出したとたんにハットを取り、おばちゃんの前にひざまずき見事なつるっ○ゲをナデナデさせたんです!!
いや~、目から鱗でした。ここまで自虐的になれるものかと (笑)
私のシカゴでの想い出のなかでも、最高に楽しかった一時です。

ちなみに出所後の彼は、「ムショから出てきたら嫁が居なくなっていた~」という実話を歌にしてレコーディングしています。


「眼光鋭く」なんてとこ、吹き出しちゃいました。そしてその後との落差!
最後の出所後のエピソードがまた素晴らしいですねえ。

もー、「江戸川スリムの裏情報コーナー」なんてのヒソかに作っちゃいましょか?
permalink No.749

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