That's No Big Deal Harmonica Joe 2004-06-23 WED. | かなり手馴れた感じのハープで始まるこの曲、ハモンドがやや派手に鳴り始めるまでは、一瞬抑制のきいたギターの刻むブーギのリズムで、けっこう重心が低そうなペースなのですが、すぐに和音を流し、あるいはスタッカートで入れるハモンドが次第に「支配的」になってってくにつれ Boogie Woogie 色が薄れていきますねえ。 どうなんでしょ、メインがハープというバックでのハモンドのアレンジメントってのは音質がカブっちゃって難しいと思うんですが。 ウチのセッションの場合でも、ハープのオブリを活かしてる曲などではピアノにするか、でなきゃ、リフ・パターン化して(そーすると、聴く側のなかではリードをとってるハープと「分離」出来るみたいなんです。たぶん「地紋化」しちゃうんじゃないでしょか、心理的なイミでね)背景の一部に溶け込むようにいたします。 さて、この曲ですが、かなり手が入ってるとはいえ、基本的には、お馴染みの That's All Right で、You told me baby っていうキーワードも My lover told me というカタチで生き残っております。 ま、午前 4時半に朝帰りしたら「出てけ!」って言われた、っつーとっから始まるのですが、んなこと言ったって、オレがいなくなってもいいのかい?っちゅう、おバカなやりとりが基本ですから、さほどシリアスなブルースじゃないよね。 ただ、かと言って、大衆のココロに届きそうな「売り」があるとも言えず、これがはたしてどれほどのセールスに結びついたものか、さっぱり判りませんが、これがヒットしてたら、こんな稀少盤扱いなんてされてないよね? 1964 年の New York 録音ですが、だからと言ってこの人を「ニュー・ヨーク・ブルース」なんて分類すんのはヤメましょう。 もともと、地域でブルースを云々すること自体には懐疑的なのではございますが、どしても、って言うんなら、それじゃそれで、「ニュー・ヨーク・ワイルド・ギターズ」ってえアルバムを見れば判るように、(もちろんニュー・ヨークで生まれ育ったひとだっていますが)単にニュー・ヨークで録音した、ってだけのブルースマンも入ってて、ただそれだけで括っちゃってるんですよね。 どしても地域にこだわるんなら、録音地じゃなく、生まれ育ち、( and / or )普段そのひとが活動している地域で扱って欲しいざます。 ただし、それがレーベルを主役にしたハナシなら、別にいいんですよ。 この年代、New York のレーベルに録音された音、って扱いならね。 そこにはニュー・ヨークのパブリッシャーたちが考える、「これ面白い」あるいは「ウケそう」という思惑で導入される「外部の」キャラクターが反映してるハズで、それを考察することは、「ニュー・ヨークが何を欲していたか」あるいは、「ニュー・ヨークが何を欲している、と思われていたか」を探ることであり、それには充分にイミがある、と思います。 それを単純に「ニュー・ヨーク・ブルース」なんて括ってしまったら、そこで「おしまい」。棚に仕舞っちゃったらもーアンシン、みたいな、「頭脳の手抜き(?)」っちゅう気がするぞ。 この Skymac 1008; That's No Big Deal はカップリング曲すら不明なんですねえ。 Skymac ってえレーベル自体、ケッコー稀少なようでして、他のレコーディング・アーティストを書き出してみると⋯ Willene Barton の Rice Pudding ( Skymac 1001 ) ヴォーカル・グループ Champagnes の Crazy ( Skymac 1002 ) Bernie Turner のタイトルを読みにくい Ching Ching Wong ( Skymac 1003 ) Bennie Turner & Armourettes の I Want To Know ( Skymac 1005 ) Bird Rollins & Group で You Lies To Me ( Skymac 1006 ) Bobby Long & Group の Just for a Day ( Skymac 1007 ) なんてのがあるようですが、そっから先、どんな検索にも引っかからないので、このレーベルが、一体どんな傾向で動いていたのかもイマひとつ良く判りませんねん。 隣の青森市でブルースのライヴが今年もあるようなんですが、そこにくる出演者が、それ以外、大阪でも東京でも演奏しないらしく(!)「なんでやねん!」の声があちこちで挙がっていますよ。 せっかく来るんだから、他のとこでもライヴすればいいのにねえ。 それともあれ?シカゴ市との文化交流事業だから採算を度外視しての一本釣りなのかなあ? ま、どうやら他のとこじゃやらない可能性もありますから、青森まで行くぞう!っちゅうモノズキ⋯うっぷす、ネッシンな方には、お問い合わせいただきましたら、なるべくインフォメーションを提供いたしますので、メールあるいは bbs でどうぞ。 キホンテキに昨年と一緒だとすると、会場への入場料ってのは無いかわり、食券が販売されてまして、それを買っていただくのが入場の条件になってます。 客席を取り囲むよに屋台が並び、ヤキソバやら、ビール、おツマミ類などを食券と交換し、呑み喰いしながらステージにツッコミを⋯じゃなかった、声援を送る、っちゅーのが正しい姿でございましょう。 ただし、会場の後方はひときわ高くなっておりまして、そっからだとちょっと遠くはなりますが、ジューブンにステージは見えるし、音も聴こえます。食券買うおカネは無いけど、ブルースは聴きたいっちゅービンたれ⋯うっぷす、「豊かでない」ひと(考えてみたら、そゆひとこそブルースぴったしじゃん!)は、そこで「それなりに」楽しめる、っちゅー実に恵まれたロケーションでございます。 出演が予定される Willie Kent につきましては、今年 4月19日付の BLUES日記で採り上げてますが、あまし参考にはならないかも、でございます。 |
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No.792