Too Tired Johnny "Guitar" Watson 2004-07-09 FRI. | ここんとこ殺人的な暑さに襲われてるらしい首都圏のみなさまに合わせ(?)なにか暑苦しい曲でも(?)と思ったのですが、これ、っちゅうのが思い当たらず( Hot Fun In The Summer Time なんてんじゃ、どこが「 Fun」だ!なんてお叱りを受けそーだし)、そのよーな企みは放棄いたしまして、ここは Johnny Guitar Watson の 1955年 Modern 録音の名曲、Too Tired でまいりましょう。 Watson 君は(なんて書くと、なんだかコナン・ドイルみたいだけど)、昨年 9 月11日の Love Me Baby 以来の登場でございます。 Maxwell Davis( ts.)、Jim Wynn( bari.)、氏名不詳の tp.からなるブラス・セクションを従えて特徴的な彼のギターがキモチ良さげにさえずって(?)始まるこの曲は、いきなり 8小節のトニック&ブレイクで歌がスタート! キーはやはりホーン・セクションに配慮(したんだか言いくるめられたんだか?)したらしい「B♭」でございますよ。 彼のヴォーカルはかなり自由気ままに見えて、これ、ケッコー才能に恵まれてますねえ。 声質こそ、「うっとりさせる」よなタイプとは言い難いのではございますが、むしろその「全然ディープじゃない」声を逆手にとって、コミカル方向に振っているよに思えるのですが、それも、ここまで自由にフレーズを振りまわせるヴォーカル・テクニックがあったればこそ、でしょうね。 名前からして Johnny "Guitar" Watson と、Guitar が前面に出ておりますが、この曲では、むしろシンガーとしての彼のポテンシャルが光っているよに思います。 もちろんギターだってなかなかのもんなんですが、彼のヴォーカルも(やや「王道」からはハズレておるとは言え)ケッコー侮れないのでございます。 この Too Tired は、とめごろおさんのレパートリィだったんですが、ヘヴィーでパワフルなブーギに仕立てて「ぜんぜん疲れてないじゃん!」てな勢いでバリバリと演ってたのが思い出されますねえ。 Johnny "Guitar" Watson の Bio.などは前述の日記で採り上げておりますので、よろしかったらそちらもどうぞ。 某ルートから「XXXXXの影の中で」っちゅーようなタイトルの映像が手に入り(なんちて、マメに板を見てるひとなら、どなたからなにが来たか判りますよね)、さっそく鑑賞させていただきましたで。 ブーツィ・コリンズがっ! チャカ・カーンがっ!(もーこの時点で板を見てないひとでも判るっつーの) しかし、このプレシジョン・ベース、いい音してるなあ。 こんな重低音が好きなのよ。 それにしても、他のパートが「厚い」こと!ギターが三人に、ドラムだって二人プラス、パーカッションだもんなあ。もちろん厚けりゃいい、ってもんじゃないですが、余裕が違うよね。 こんだけのバックがあってこそ、あのモータウン・サウンドが⋯うっぷす!言っちまった! マスル・ショールズや Hi サウンドほどの個性(?)は出ていないけど(そ、個性が「無い」んじゃなく、「出してない」なのねん)、その「商品」としての完成度はやはりモノ凄いものがあります。 どしても目立つ個性バリバリのプレイヤーに注目が集中しがちですが、実際にスタジオでレコーディングを支えるミュージシャンの力量ってのはスゴいものがありますからねえ。 それはまた、別種の才能ですよ。 そしてアンダー・ライナー的なプレイヤーも Pops 界を支えているんですが、どちらも演奏者の人気投票なんかにも出てくることは無いワケで。 可笑しいのが、ギタリスト投票なんてすると、実際にはアンダー・ライナーの「弾いてくれた」フレーズを必死でコピーしてるだけ、いえ、もっとヒドい場合は、ライヴでも裏にシャドウ・プレイヤーを控えさせて、そのひとに弾いてもらってるのに、自分で弾いてるフリをしてるよなえせギタリストが、バンドの人気だけで上位に入ることあるでしょ? あれ、知ってるひとはせせら笑ってますからねえ。 ま、TVの音楽番組でも、スタジオ・ライヴなんて言ってますが the Michelle Gun Elephant 以外はどれもクチパク・アテ振り、っちゅー番組が現実にありましたでしょ? なかにゃあヴォーカルだけはホントに歌ってる場合もありますが(下にテロップで出る「正しい歌詞」とちゃう歌詞で歌ってたりする、あるいは、フダン流されてるのに比べてちょっとヘタになってるじゃん、てな時ですねえ)、そんな番組でも、良く見りゃベースもギターも「あり得ない」手の動きしてたり。 そこらが「ポップス」のポップスたる由縁でございましょ。 商品である以上、その完成度が重要なんですねえ。 そしてその完成度の高さを生み出しているのが、スタジオ・ミュージシャンのみなさん、ってワケ。あまり有名じゃないかもしれないけど、実は音楽の歴史に大きく関わってきた影の実力者揃いです。 ま、だからといって、あのバンドのギター、ホントは自分じゃ弾いてないんだよ、なんてことをファンに教えて、せっかくの(?)夢をコワしてやることもないですからねえ。 それに、自分でも楽器を始めればスグに判りますから。ホントに弾いてるかどうかは。 |
permalink
No.808