Too Many Dirty Dishes

Albert Collins


2004-09-08 WED.


午前 4 時ころでしょうか、風の音で目が覚めました。
天気予報から予想していた通り、まさに台風の接近でございます(っちゅうてもそれは台風の「目」の位置が、っではなくって、その「目」から南西に広がる「暴風域」が、って意味なんですけどね)。おそらく台風の本体(?)はすでに北海道まで行っちゃってるハズ。
そのあたりから 7 時くらいまでは、「吹き荒れっぱなし」ってんじゃないんですが、「強風」の波状攻撃が続きました。

たしか日本の小説家(女性)の作品で、海岸に打ち寄せる波が 7 回に 1 回大波が来て、さらに 49 回に 1 回、「大王」が来る⋯という記述に出逢った記憶があるのですが、自然界にはそのような「反復」の定数のようなものが「ひょっとしたら本当に」あるのかもしれませんね。

それとはまた違う定数みたいなのが存在するのかどうかは定かじゃありませんが、風が止んだ状態と、また吹き荒れる!というのを繰り返すそのパターン、それこそ「 1/f ゆらぎ」よろしく、その間隔と強度の間には、なにやら玄妙なる「法則」でもあるのかもしれませんね(って無くてもべつに構わないですけど)その「振幅」と「波長」のコンビネーションはドラマチックな交響詩のように「美しく」さえある⋯
なんてなことを言い出したのは、一度目覚めたらもう、風の音がうるさくてじぇんじぇん眠れなくなっちまったからなので〜す。

てなことはともかく、今日は、昨日の Steve Cropper のギターに触発されて、ならリアル・ブラックの「エグいの」をイッパツ、ってワケでございます。
別におちゃらけて弾いてるんじゃないのかもしれないけど、このギターのイカレぶり、天然なりゃこそ、のスバラシさ、っちゅうもんでございましょう。

流しの中に使ったお皿がちょうど二人分あるじゃねえか
不思議だよこりゃどういうこったい

おれは朝から仕事してて
夜やっと帰ってくるとこのザマだ
やつはどこへ行ったもんだかいやしねえ
流しの中に使ったお皿がちょうど二人分
不思議だよこりゃどういうこったい

このキッチンのありさまを見ろよ
鍋は汚れたまま
グラスも使ったままだよ
パーテイでもやってたのかい?
それにこの吸殻はなんだ?
俺は葉巻なんて吸わねえしお前もだろ
しかもキャビアだぜ
俺はついぞお目にかかったことも無えってのにさ
いったいどっから出て来たんだい?
・・・

そりゃ Collins ちゃんじゃなくてもアタマ来ますよね。
特にこっちはハラ空かして帰って来てみたら晩飯の用意してるどころか、とっくに食事を済ませちまったと見てとれる光景が広がってんですから、その失望たるやいかばかりか⋯
ど〜も見たところ、メシ作って待っててくれるどころか、サッサと「ダレか(葉巻を吸うヤツだよ、それも)」と自分にゃ作ってくれたこともないよな豪勢なキャビアのオードヴル付きの T-Bone ステーキのディナーを摂ったあとらしく、流しにゃ食べ終わった後の汚れた食器やらグラスが散乱してて、しかもドコ行ったもんだか姿も見えないんですから。
Albert King のブルース・パワーじゃないけど「これもブルース」ってヤツそのまんま!

ちゅうような深刻(?)な歌詞なんですが、そこは我らが Collins ちゃん、陰々滅々たる「ヘヴィなスロー・ブルース」にはならないのよね〜。
入りこそ、シリアスっぽいギターで始まりますが、いざ歌が始まっちゃうと、「シリアス部門」はヴォーカルにお任せ、となってギターはっちゅうと、このシチュエーションをあざ笑うかの如く、「無責任度(?)」を増していきます。
いやはや、それでこそ Albert Collins っちゅうもんでございましょ。

そうそう、他にも家に帰ってきたら明かりは点いてるけど「だ〜れも居ない」っちゅう「日常の」不条理を歌った曲もありますよねえ。
そ!Lights Are On But Nobody's Home ですねえ。
こうゆう「ある日トツゼン日常から逸脱してく」系ブルースってのもコワいものがございます。
permalink No.869

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