Eyeballin' Lonnie Brooks 2004-09-17 FRI. | 今年 5月30日にも Two Headed Man を採り上げた Lonnie Brooks のナンバーです。 キレのいい、一見ブーギじゃなさそうで、でもサイド・ギターはちょっとヘンなハズれ方ながらいちお〜ブーギのパターンを切っています。 こりゃドラムが手ぇ抜いてるのか?はたまた、ドラムがフツーにハイハットをブーギのいわゆる中抜き三連叩くと合わなくなるからなのかもしれませんね。 どーやら 1960 年代の「いわゆる」 Chicago の主流みたいなあのブーギとは、なんだか世代が違うリズムって感じです。 もっと軽く、そのくせ、独特な「引っかかり」感みたいなものもあって、決してタンジュンじゃないんですが、ま、これはこれで面白いですね。 ヴォーカルは、意外と(なんて言うとシツレイ?)ちゃんとしてる、っつーか、ま、後々まで耳に残るほどのキョーレツな個性ってのは無いよな気はするんですが、こんだけ唄えたらヒットのひとつふたつあってもおかしくない、っちゅーほどのレヴェルじゃないでしょか? いささか易々と唄い過ぎてるあたりが、Little Johnny Taylor あたりを、う〜んと洗練させちゃった(させ過ぎた?)よな耳触りの良さとともに、逆に「訴求力」を削いでしまっている、そんな感じもございますねえ。 でもまあ、こんだけ唄えちゃうとかえって個性が活きない中間的ゾーンに入っちゃってるのかもしれません。 ホント、ヘタに上手いと(って、形容詞同士が矛盾してますねえ)また別なモンダイがあるようで・・・ 彼のギターは、やや過渡期的なスタイルのまま、と言えるかもしれません。 Kindsey Report みたいなロックも呑み込んだ 1980 年代の新しい音の影響も見られないよーで、でも、それもまた、このひとのカラーとしちゃあ「いい」んじゃないの? あ、そうゆう新しいムーヴメントを、ロックに「日和った」なんて非難するアタマの固い方々もおられそうですが、じゃあ、「純粋なブルース」ってなんなの? そんな人たちが有り難がってる「シカゴ・ブルース」ってのだって、言ってみりゃあ、「エレキ」なんちゅう不純な楽器(?)をブルースに持ち込んだことで「生まれた」んちゃうの? そゆこと考えてみもしないで、ダラクした、なんて騒ぐのは、単に発展段階の中の自分の好きな「一時期」こそ「真のブルースだ!」と決めつけちゃう、ワガママでアタマ悪いひとの言い草だよね。 いえいえ、別に、ある時期のブルースが好きだ、ってだけならいいんですよ。 ところが、たいてー、それ以降のブルースを「ダメになった」みたいな言い方するでしょ?それがいかん、言うとるの! ブルースだって時代のなかで変化して行きます。 それを「いかん!」ゆうのなら採集した昆虫を綺麗に標本としてとっときたい、ってのと一緒だよね。 生きて動いている姿こそがその昆虫なワケで、その死骸を並べてマンゾクする、ってのは自分の持ってるイメージだけで世界を「決めつけてる」ことでしょ。 それを愛するのはそのひとの勝手だけど、動くな!なんて制限する権限はキミには無いんだからね。 てなことはともかく、ワタクシ、このひとのブルースって、次の世代のブルースには到達してないけど、なんかやってみたい、てな模索感(?)みたいなものが、そのサウンドをちょい不鮮明なものにしちゃってるよな気がするな⋯ この、ややオーヴァーなヴォーカルにしても、次の世代のインテンシティのある全体のサウンド、ってヤツには合わないよな気もするし。 上の本文(?)でも触れてますけど、このへんのブルースっての、どうもワタクシには旧き佳きブルースと新しい世代のイキのいいブルースの「どっちでもない」ちょと印象に残らないハンパな移行形態?って気がするんですよ。 どこが悪い、ってことはないんだけど、そして確かにブルースのフォーマットには適合してるんだけど⋯ヒドいことゆうようですが、Son Seals も含め、ブルースを語るとき、どうも「キー・パースン」としては語られること無さそう⋯って気、しない? あんまりネツレツなフアンっての居ないんじゃないかな? どう? まあ、「どう?」言われても⋯てなもんでしょうけど。 あ、ブルースのインパクトってのが昔よりは薄れてきてる、ってのもあるんでしょうね。で、と〜ぜんブルースマンってのも「とんでも」なのがいなくなって、フツ〜のオッサンばっかになってるんだったりして。 ホントにシツレ〜なんですが、この Lonnie Brook も Son Seals も確かにブルースマンではあるんでしょうけど「伝説」になるよな存在じゃない⋯っちゅう気が。 ええ、ええ、モッチロンそれってワタクシの偏見でございましょう。 ですが「コイツでなきゃ!」って部分がどうも見つからないんですよ。別に嫌いってことは無いんだけど、惚れ込めるとこも無い⋯ プロデュースの不足、とかゆうことじゃなく、本人の個性の不足かも??? |
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No.878