Five Long Years

Sugar Boy Williams


2004-10-15 FRI.


昨年 9 月29日に Little Girl を採り上げました Sugar Boy Williams こと Joseph Leon Williams、いやさ、皆様には先年の呑んべえ対決(あれ?違ったっけ?)の戦利品として寿家の壁面を飾り、MACさんの「専属ギター」となっておる、あの Epiphone のギターに誇らしく書き込まれたサインのひとつとして知られておる Jody Williams がチャレンジした(?)、あまりにも有名なナンバーのカヴァーでございます。

アタマっから聴いていただければ判りますように、この Five Long Years、ちょっと様子が違っておりますねえ。
さよう、最初、まるで「語り」のよーに歌詞を続けていくのでございます。
ここら「日常性」の演出なのでございましょか?なんてえ冗談はともかく、ま、なんとか、個性を出したい、みたいな努力のあらわれなんでございましょう。
ただ、最初がやはりこんなセリフっぽい演出だと、なんとなく、聴いてるこっちまでこっぱずかしくなるもんなんですねえ。
モチロン途中からはちゃんと歌い出すんですが、どっちかってえと、聴いててウットリするよな美声ってのとはちゃいますよね。
ブレイクなんかも大上段に構えたワリにはやや不発、っちゅう感じもありますが、でも逆にそこらが大歌手(?)っぽくなくて親しみが持てます。

オリジナルの Eddie Boyd もかなり完成度が高かったんですが、Junior Parker あたりになると、その滑らかさが(なんでか)ブルースっぽくないくらいのテクスチュアまで到達してますでしょ。
そこ行くとこの Jody Williams、いや Sugar Boy Williams のは、どことなくムリしてる感(?)があってヨいのでございます。
ま、Lucky Lou を Otis Ruash にパクられた、うんにゃちがう、なんて論争(?)もありましたが、少なくとも、そのギターだけとっても(ヴォーカルもじゃ、というウワサあり)、やはり言っちゃワルいけど Otis Rush のテキじゃない、っつうか、プレゼンスがゼンゼン違う!

それはこの Five Long Years でのギターでも、やはり世のブルース・ギター・フリーク(?)のみなさまがナットクするよなギターじゃなく、かなり未完成、悪く言えば「なっちょらん(あ、これはギター・フリークの視点からすると、ね)」ギターなワケで、そこら Otis とは「格」がちゃうなー、っちゅう気はいたしますですハイ。
でも、それをタンジュンにマイナスとは思いません。
かえって、このとっちらかったギターが 5 年間の鬱屈をはからずも写し出している⋯なんて言ったらホメ過ぎだな、きっと。

この Joseph Leon Williams の Biography については、やや不完全ながら、昨年の日記のほーで採り上げておりますので、そちらをご参照くださいませ。

実は当初、この記事にはサウンドも付けていたのですが、後に削除しています。
そのサウンドは、画像と一緒に別なとこに「場」をカクホしたことと、ワザと音質を劣化させる、っちゅー逆転の発想で「行けるんじゃないか?」とスタートいたしました。

近年、ディジタル・オーディオの進歩によって、ほとんど「劣化」無くデュープすることが可能になり、それが著作権や版権の侵害を発生させるバック・グラウンドとなっております。
ところが、そのよーな「ディジタルのメリット」を一切放棄した、新しい(?)提示の仕方があるのではないか?ということに気付いたのは、いつも携行している Windows CE マシーンで WAV を再生したときでございました。
その「チャチ」なスピーカーから流れてくる Yazoo の古~いブルースの音が、ミョーに「蓄音器」っぽくて、なかなか「いい」のですよ。
あるいはスーパー・ヘテロダイン以前のウッディな Radio(全木製で上が丸くなっててツマミ三つってヤツね)から聞こえてくる「対岸の」 Arkansas 州 Helena の King Biscuit Time みたいな狭帯域音を思わせて、一瞬のタイム・トリップ、でございました。
うん、これはイケる!と、その感じが出るよに「加工」することにいたしましょ。

そのためには、まず元がステレオでもモノラル化し、G.E.Q.( 7 素子)で低域と高域の両端をシェルヴィングして「狭帯域化」させます。そしてそのままではまだ「クリア過ぎる(!)」ので、ラインで受け渡しすんのをやめ、わざわざ、ウォークマン用の(一応アンプ内蔵!)スピーカーから音を出して、それをこれまた狭帯域な携帯電話用ヘッド・セットに付いてるマイクで採る、っちゅ〜手間をかけてみました。おお!さすがに音が「浅く」なっていいざんす。
結果はなかなか「チープ」な音になって、いかにも安物の「ちこんき」あるいは「れぃでぃお・せっと」から流れてくるブルース、っちゅう雰囲気が出せたと思います。ま、念には念を入れて、2分で F.O.しとこ。

どだ、これなら悪用も出来んじゃろ!

悪用は出来ないでしょが、ケンリの侵害じゃ~!っちゅうご意見もおありかもしれませんけど、それゆうなら、ヘタすっとアルバムまでまるごと一枚アップしちゃってる YOUTUBE を先になんとかしてからどうぞ。

デカいとこにはナニも言えないけど個人のブログにだったらトツゲキ出来る、なんて情けないセイギカンなら恥ずかしいぜ?

⋯と、この二つ目の以降は 2023 年の記載でございます。もはや「かな〜りレアなトラックでさえ探せば出てくる YOUTUBE 」しょっちゅう通いつめたって手に入らないレア曲がカンタンに聴けるんですから稀覯盤を「どや、オマエらこれ持ってねえだろ!」と嘲笑ってたマニアどもの存在価値がガラガラと音たてて崩れ去ったのは、まことにザマミロでございますよ。

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