Destination Love

Wynonie Harris


2004-11-09 TUE.


1956 年10月24日に New York で録音されたジャンプ・ナンバーで、カップリングは Tell A Whale of A Tale で ATCO 6081 としてリリースされています。

なお、Jerry Leiber & Mike Stoller の手になるこの曲は、Four Coins によっても採り上げられているようですね(こちらも同じ 1956 年ですが、リリースはどちらが先なのかは判りませんでした。 EPIC 9192 )。

スタンダップ・ベースによるホッピーなベース・ラインに乗せて、朗々と歌い上げていきますが、さほど「りきみ」も無く意外とスマートに仕上がってます。

ミキシング・バランス的にはちょっと引っ込んでますが、よく聴くとピアノがケッコー張り切っているんだよね。
でも、いっちゃん目立ってるのは、なんか楽しそうな(っちゅうのはワタクシの印象に過ぎませんが)ベースじゃないでしょか。
一方、「ごくろーさん」なのがギターかな?まるでディキシーランドのバンジョーみたいなストロークをず~っと入れっぱなし!ホントお疲れさんでございます。

そしてそんな中で「美味しい」とこをさらってくのがクールなソロをキメてるサックスでしょ。
ただ、バッキング・メンバーは一切、氏名不詳なのでございますが。

この曲って一見、フツーのブルース・フォームのようにも思えますが、実際には「サビ」だってあります!
そのサビはよくあるタイプで、サブ・ドミナント→トニック→サブ・ドミナント→ドミナント 7thっちゅー(そ!クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの Traveling Band のサビと一緒!)構成になっちょります。
また本篇も、10小節目もドミナント 7th のまま、っちゅータイプね。

さて、2 月22日には彼の Good Rockin' Tonight を採り上げ、そこでは彼の誕生日を 1913 年( alt.1920 年)の 8 月24日、とお伝えいたしましたが、その後、別な記述も見つかり、それでは生年を 1915 年としております(月日は共通)。

なんだか、ますますコンランしてまいりましたが、現地調査などする術とてないワタクシといたしましては、勝手に「これが正しいにちがいない!」なんて決めつけるワケにもいかず、コンランはコンランのままでお伝えしておきましょう。
また、前回は Jim Bell の Harlem Club でダンサーとなって、そっからいきなり Chicago で Lucky Millinder オーケストラ、としておりましたが、どうやら、その間に Omaha から Los Angeles に行っていたようです( 1940 年)。

また、『ATCO にも吹き込みしているのですが、そいつはどうやら行方不明らしく・・・』としたものが、その後 Reissue されたのが(たぶん)今日のナンバーなんじゃないでしょか?(他にもあるのかもしれませんが)

さて、前回の Goood Rockin' Tonight では『1951 年の 7月には T-Bone や Lowell Fulson、さらに Big Joe Turner たちとのツアーを行い、またも「Bloodshot Eyes 」をチャートに送り込みました( 6位)。「 Lovin' Machine 」は彼の最後のチャート・イン・ナンバーとなった曲で 1952 年の作品です。ここからはパッケージ・ツアーの日々が始まり(?)一度 Atco にも吹き込みもしているのですが、そいつはどうやら行方不明らしく、どうなっちまったのかナゾでございます。
こうして彼はみるみる失速し、1956 年には郊外の邸宅も差し押さえられ、その後の彼はバーのマネージャーなぞをして暮らしておったようですよ。しかし、1960年には Roulette に「Bloodshot Eyes 」のリメイクも含み何曲か吹き込んでいるようですが、シングルが一枚だけリリースされただけだったそうです(それが「Bloodshot Eyes 」のリメイクかどうかは不明です)。
とゆうことを書いておりましたが、1956 年ってことは、まさに差し押さえ騒動のまっただなかで録音してたんでしょか?

収録アルバムは ATLANTIC BLUES: VOCALISTS (ATLANTIC 81696)。

ま、それにしても、彼の少年時代については相変わらず資料が見つかっていないんですが。

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