I Just Want a Little Bit Magic Sam 2005-01-07 FRI. | Roscoe Gordon の名曲 Just A Little Bit を Magic Sam が演奏したものです。 Delmark から発売されている DD-620 Black Magic にも収録されていますが、本日ご紹介いたしますのは、その別テイクである同じく Delmark DD-651 The MAIC SAM Legacy に収録された方ね。 この DD-651 版は、ちょっとばかり粗削りで、ややバランスも悪い、とは言えますが、ワタシだったらゼッタイこっちがいいなあ。 Magic Sam のギターの音もいいし( Black Magic のほーはちょと音がきちゃないよな気がするんですねえ。あの Earl Hooker の「一見レスポール」実は Univox ってので弾いてたヨーロッパ公演での音みたいに「歪んで」て⋯)彼の声ものびのびしてるよな気がします。 全体の構成にはさほど差があるワケじゃありませんが、Odie Payne のドラムなんて、こっちのほーが、より「おちゃらけ度(?)」が高いよねー。また Eddie Shaw に続いてソロをまわされた Mighty Joe Young のぺなぺなギターもあっちじゃアラばっか目立ってましたが、こっちだと、いかにも自信無さげな「腰の引けた」感じがかえって好感がもてますね。 Magic Sam のギターで言えば、いっちゃんちゃうのはリヴァーブの「効き」と歪み具合です! 例のピチョン、ピチョ〜ンってスプリング・リヴァーブ・ユニットの「鳴り」が、それ自体で「生命を持った」響きであるかのように「活きてる」独特な音がオープニングのカウントをとり、さらに第 9,10 小節目をリフじゃなく、クイックなストロークでキメてるとこなんて、実にいいですねえ。 これ、クリアだからよけい「活きてる」んじゃないのかなあ。 あのアール・フッカーから借りて使った「なんちゃってレスポール・カスタム」はアンプとの相性なのか、やたらクランチ(を通り越してる、っちゅーウワサもありますが)がかった音でしたが、どっちかってえと Black Magic の音ってそれに近いよな気がすんのよねー。 この Legacy での Just a Little Bit はそこまで歪んでません。 ジャケットの写真だけ見れば Black Magic じゃホワイトの Stratocaster(ローズウッドのフィンガーボード)、で Lagacy じゃ Epiphone Rivierra を持ってる写真が使われてますが、別にそれぞれがそのギターで録音したってことじゃないようで、江戸川スリムさまによれば、どうも Magic Sam はん、いっつも、そこらヘンから(?)ギターを拝借しちゃあ、それを弾いてたんじゃないか?てなことでしたので、ますますどっちもアテにはなりませ〜ん。 ちょっと見、リヴィエラ持ってるバックはどうもスタジオ(あ、よくグラヴィア・アイドルなんかが撮影に入ってる「フォト・スタジオ」じゃなく、モチロン録音スタジオね)っぽいし、一方 Black Magic じゃ、ライティングといいアングルといい、どっかのクラブでのライヴでの撮影かもしれません。 かなりリヴァーブがかかっているので(でなくても?)はっきりと断言は出来ませんが、この Legacy でも Black Magic でも、そのギターの音は「ストラトじゃない」よな気がします。 サーロイン・ステーキのコースまでは賭ける気はしませんが、ラーメン&餃子セットくらいならいいかな? さて、Black Magic にはこちらのテイクを採用しなかった、ってえあたりがいかにも Delmark ですねえ。モチロン、どっちがいいか?は人それぞれでしょうが、もしワタシに決定権があったらゼッタイ逆になってるなあ。ま、いいんですけどね。 |
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No.990