Five Long Years

Willie Cobbs


2005-09-02 FRI.


いちお〜人それぞれに、そのブルースマンに対する漠然としたイメージってものがあるんじゃないでしょか?
たぶん、いつもここを訪れていただいているみなさまならばお気づきかと思いますが、ワタクシのは「そ〜と〜」偏向しておりますから、あまり普遍性は無さそうなんですが、ま、好き勝手を言わさせていただけば、この Willie Cobbs にはどしても You Don't Love Me の影がつきまとうのですよ。
ややリズム先行と言うか、そんなナンバーこそが彼の持ち味じゃ?てな気がいたしておりました。

さてこの Bullseye Blues の Jukin' でございますが、このアルバムからはすでにタイトル・チューンである JukingBlack Night の二曲を採り上げておりまして、そのときには

バッキングを務めるのは「あの」 Hodges Brothers のギターで、かつこのアルバムではプロデュースも担当している Mabon "Teenie" Hodges をはじめ、オルガンの Charles Hodges、ベースの Leroy Hodges っちゅー、かって 1966 年から 1968 年にかけて Memphis にあって STAX と張り合ってた(?) Hi Records のサウンドを支えていた the Hodges Brothers を中核としてドラムに Howard Grimes、さらにこれもかっての Hi サウンドを支えたサックスの James Mitchell なんて「懐かしい」顔ぶれが勢揃いしたある意味ゴ〜カな面々でございます。

派手にブラスも総動員して( James Mitchell 以外にテナーの Jim Spake と Lannie McMillian、トランペットの Scott Thompson、そしてハープ!の John Weston )始まるこのナンバー、なかなか威勢がよろしいですねえ。
やはり Willie Cobbs ときたらリズムの活きてるナンバーのほが。ねえ?

でも、ご本人はやはし Five Long Years なんての歌いたいんでしょか・・・


てなことを書いておりましたが、今日は「その」Five Long Years でございます。
このアルバムでのスローなナンバーは、実にもう、なんと言うか、とてもスリリングな(?)歌唱を楽しめるワケでして、特にあの名曲 Please Send Me Someone to Love なんて、なんか作業をしながら聴いてたりすると、手元が狂う、っちゅうか気が散ってしょうがねえ、てな出来なのでございます。
そんなですから、どうせなら You're So Fine でも、と言う手もあったんですが、いかんせん、ここではなんでかバックの「おねえちゃん」たち(?)の「いかにも」なコーラスがちと耳障りで、ホント Screamin' Jay Hawkins じゃあるまいし、この曲にバック・コーラスは無えだろ!っちゅーことで、そのあげく Five Long Years を、ってことになったのでございます。

なんて言うと嫌々やってるみたいに聞こえるかもしれませんが、決してそんなことはございません。
ワタクシはこのハラハラする彼のスロー・ナンバーにはミョーにハマってまして、ケッコー好きなんですが、でも、ちょっとひとには薦められんな⋯っちゅう想いがあるワケでして。
でもまあ、そこらはもうみなさんとっくにご存知(?)でしょうし、タマにはいっか?ちゅうことで⋯

どうやら Clarence "Gatemouth" Brown の家も例のハリケーンでメチャメチャにやられちゃったらしいですが、本人(と家族も)はいち早く Texas 州に避難しててブジだったようです。
彼の公式サイトのゲスト・ブックにはブジをヨロコぶファンの書き込みが来てますねえ。
う〜ん、さすがは Gatemouth!ま、家屋や家具、キャデラックとかギターなんてのはパーになっちゃったみたいですが、ちゃんと逃げるべきときが判っていらっしゃる!

それにしても、こんな巨大ハリケーンが発生する、なんてのも、ヒョっとして地球温暖化の影響なんでしょうか?
炭酸ガスの排出基準を巡る京都議定書に対し、いちばん非協力的だったアメリカがこんな目に合うなんて、実に皮肉な巡り合わせってことになるかもしれません。
そしてアっちゅう間に悪化した「治安」。もともとアメリカってのが実際にはさほど治安は良くない、ってのは判ってましたが、送られてくる映像では、アフリカでの「大量虐殺から逃亡してきた難民キャンプ」とさほど変わらない状況が見られました。
富裕な白人層など、「これだから黒人は!」なんて言ってるようですが、そんな略奪行動に走るしかない状況を作って来たのは「自分たちだ」という自覚はカケラも無いようですね。
ここからアメリカは、果たしてなにかを学んでいけるのでしょうか。

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