I'm A Stranger Hop Wilson 2005-11-28 MON. | 前回の My Woman Has a Black Cat Bone から、はや六ヶ月が経過してしまいましたが、この I'm A Stranger、その My Woman〜の B 面としてシングル IVORY 127 としてリリースされたナンバーでございます。 いささか頼りない Hop Wilson のフラつくヴォーカルがまた独特なキンチョー感をもたらしておるスロー・ブルースなのでございますが、そのスティール・ギターのフレーズは意外と(シツレーな!)まともで、あの Freddie Roulette センセのよな、なんだか視界がぐんにゃ!と歪む(ここは「ひずむ」じゃなく「ゆがむ」ね)よなモノ凄〜いブっとんだフレーズってのは出てまいりません。 ライド・シンバルにシズル・ピンでもつけておるのかやたらにウルサい(あ、音量じゃなく、ね)ドラムはこりゃもう Hop Wilson と来たらこのひと、毎度お馴染みの Ivory Lee Semien。 某お笑い芸人の持ちネタ「チッチキチ〜」を思わせるシンバルが全編を通して鳴り止まず、ワタシがプロデューサーだったら、スティックを採り上げてブラシを持たせてスネアだけでやらせちゃいますねえ。バツ(?)として⋯ で、ときどき「おいおい」てなアヤしいコード進行を醸し出す(なんでか、っつうと、フツーのベース・パターンがときどき遅れたとっから始まったりするもんだから、とーぜんケツが合うワケない)おっとっとベースは Slim Parker。 ま、これは彼ばかりを責めるワケにゃいかないでしょねえ。 二つ目が上がるのか上がらないのかちゃんとキメてない Hop Wilson も(あるいは自らプロデューサーみたいなもんでもある Ivory Lee Semien が)悪いのかも。しかた無いから Hop Wilson の音を聴いて「から」、あっサブ・ドミナントかよ?参ったなあ、てなチョーシ(たぶんね)だから、そりゃまともなパターンで弾けるワケない、と⋯ でも、そのワリにゃピアノの Elmore Nixon は「知ったこっちゃねえ」てな感じでしょか。まったく動ぜずに通常の「二つ目上がる」路線を黙々と貫いております。不協和音に聞こえたら、それはワシのせいちゃうもんね、てな自信(?)の表れでしょか。 それにしても、このサブ・ドミナントに上がったり上がらなかったり、上がったら上がったでいつ戻ってくるのか、なんてえワシらだったら「とても重要な」とこに一切に「こだわらない(?)」とこなんざ、あの「テキサス・ブルースの美風」を思わせますよねー。 ベースとかに意識を集中して聴いてみると「あれ?」なんて、なんかヘンだぞ、と気付きますが、ただ流してると、ま、これはこれでいいじゃん、てな気もしてまいります。 ただ一緒にやるひとはたまったもんじゃないかもしれないけど、でも、いっつもこうだったら、みなさん「免疫」も出来とることでしょう。 この 1960 年10月27日、Texas 州は Houston の ACA Studio で(当然、前回の My Woman Has A Black Cat Bone も同日)録音されたこの曲には実はもひとり Pete Douglas っちゅうサイド・ギターも参加してるんですが、もしかすっと、このひとがいっちゃん苦労してたかも。 いやあ、サイド切るにも気を遣ったでしょね。Hop Wilson の音に耳を澄まして、あっ変わった!となったらそくコードを変える⋯ I'm A Stranger っての「ワタクシ、慣れてないもんで」っちゅう意味にもとれるらしいんですが、「ご無沙汰してます」っちゅう意味にもとれるみたいよ。 前者のイミだとしたら、みなさまにご迷惑おかけしております、てな「自覚はある」のかな? でもそんなのど〜だっていいじゃん!ちゅうのがテキサスの美風なんでしょか⋯ええ、ショ〜ジキ言うとワタクシもそうゆうの好きですねえ。 延々と 24 小節もブレイクかましてからやっとサブ・ドミナントに行く!とかね(ゆうただけで Julius "Mercy Baby" Mullins ねっ?ちゅうヒトもいるかな?いたら凄い!)そう、Marked Deck ですがな⋯え?ええ?ええええ?ってなくらいトニックのままで行きます。ホント延々と行きます。 どのくらい行くかってえと、「標準」の実に 6 倍!24 小節もそのまま行っちゃうのですよ!(さすがに 20 小節目でベースが早トチリしてサブ・ドミナントに行きかけますが、慌てて戻って来てるのよねー。あれ収録終ってから「おめえ、あそこでチェンジしかけたろー」なんてシバかれてたかも) 美風とは?⋯だなんてデンジャラスな疑問をあたためてはいけません。 がははははは〜! |
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No.1316