Lonesome Life

Lightnin' Hopkins


2005-12-21 WED.




つい先週 Katie Mae を採り上げたばかりでございますが、昨日の Valerie Wellington の Steal Away で、この手の(?)Night Life 系つ〜か、Ain't Nobody Business 系ちゅうか、あ、4 小節目でサブ・ドミナントがマイナーに変わるとこなんて Guilty 系と言ったほうがいいのかも、ですが、そゆコード進行のナンバーに里心がついて(?)、他にも⋯っちゅーことで、それも「意外な」ブルースマンのが欲しいなあ、ってことで選んだのがこの Lightnin' の Lonesome Life だったのでございますよ。

およそ、この手のナンバーがあまり似合いそうもないケースとしちゃ、2004 年の元旦を飾った(?)Elmore James による Person To Person ちゅう近似⋯じゃなかった金字塔(?)があるのでございますが、この Lightnin' ではあそこまでの強引さで「我が物にしちゃう」のではなく、も少し「どんなもんだかやってみるとすっか?」てなケンキョさ(?)があるよな気がいたしますが、まあ、それがなかなかサマになってるじゃないの。

もっとも、この背後でそんなコード進行から何度か脱落して(とゆ〜か「理解できてなくて」?)ちょっと耳障りな Billy Bizor のハープ(どうやら Lightnin' の親戚らしいんですが)は「いかがなものか」てな印象は否めませぬが、それを除けば案外「しっとり」と静謐にもなり得た(?)世界が広がり⋯なんて思っていると、ところどころに入る Lightnin' のギターがめっちゃアグレッシヴで「およよ!」なのがまあ、さすが Lightnin' でございます。

そりゃキビシく聴けばハープほどじゃないけど、ウッドらしきベースだってときどき「とんでも」な音に脱線してギョ!っとさしてくれるし、自信満々、「みんな!オレのピアノに合わせろ!」みたいに判り易くコードを展開してくピアノにしてからが、カンペキじゃなく、おっとっとな局面をタマに見せてくれますから、要するに、この録音自体のルースさってのが、なるほど Home Cookin' たら言うマイナー・レーベルらしいなあ、っちゅう感じではございますが。
でも、逆にその粗さがかえって Houston のミュージック・シーンってこんなだったんだろなあ、っちゅう想像の余地を残してくれてるみたいで、そこら、「嫌い」じゃありません。

Home Cooking Records COL-5262 Lonsome Life

Rainy Day In Houston
Lonesome Life
You Just Gotta Miss Me
Pine Gum Boogie
Wake Up The Dead
How Dooz It
Got A Letter This Morning
Stinking Foot
Walking And Walking
Good As Old Time Religion
Born In The Bottoms
Balling The Jack
The World’s In A Tangle
A Man Like Me Is Hard To Find


はすべて Lightnin' の録音を集めたスタイルとなっており、その伴奏者については曲ごとのクレジットではないため、あまり参考にはならないのですが⋯

Piano - Cedric Haywood、Elmore Nixon とふたりの名前が出てはいるんですけど Elmore Nixon も自分のコンボを持ってて Playboy Blues なんて EP シングル(カップリングは Million Dollar Blues )で聴く限り、こちらもジャズ・コンボっぽい手練れ感があって Lonesome Life でのピアノとは別人感アリアリなんですよ。
つ〜か、シングルを集めたアルバムでのクレジットなので、ドラムが Ben Turner、あるいは Ivory Lee Semien 書かれてますが、Ivory Lee じゃなさそう、って気はいたします(気がするだけですが)むしろ Bill Hayes & His Band でのドラム(たどり着いたシングルではブラシ使ってる⋯)でもある Ben Turner なら「ありうる」って感じでしょか。でも曲ごとのパースネルじゃないので、あまり参考にはならないかも。
もっともアルバム全体のクレジットにハーピスト Billy Bizor は「書かれてない」ので、Lonesome Life は「不問とする」てなことだったんでしょか?
いっちお〜ベースは Lawrence Evans となってますけどね
そしてベースは Lawrence Evans の名前も挙がっておりますが、これまた Art Blakey & the Jazz Messengers のメンバーだったかたですからねえ⋯ちょと(ちょと、じゃねえ?)違うよな気がいたします。


時は 1968 年の 1 月17日、Texas 州の Houston、ACA Studios で録音されたこの曲では前述のハープのオッサンと Lightnin' 以外のメンバーは判明しておらず、この約 3 ヶ月後の 4 月に録音された Rainy Day In Houston などでの音とも比較をしてみましたが、あくまでも個人的な印象ではありますが、どうも、この Lonesome Life でのピアノはそこでクレジットされている、ジャズ・ピアニストとされてる Cedric Haywood とは「手が違う」、いえ、もっと言えばもっとビギナーっぽい(?)ピアニストであるように思います。
さらにベースはもう「明らかに」別人 28 号ですねえ。

そしておヒマな方は始まったあたりのドラムにもご注目ください(?)。
なんだかもう「おっかなびっくり」Lightnin' の手元ばっかり凝視しながら、なんとか合わせよう、とでもしてるのか、それがかえって「ハズしてる」さまがけっこう笑えます。
それにしても、こんなナンバーでも、いざギターとなるとバーストしちゃう Lightnin’、いやあ、なかなかいいですよ〜。
多少ブチ壊し気味っちゅう御意見もおありでしょうが、このテンション、たぶんヴォーカルで抑えてたもんが「噴出」しちゃったのかもしれませ〜ん。

permalink No.1339

Search Form