Mr. Johnson's Swing Lonnie Johnson 2004-10-08 FRI. | 最初、He's a Jelly Roll Baker、続いて I'm Nuts About That Gal と、ほぼ半年に一枚のペースで(?)紹介しております Lonnie Johnson でございます。 前回にも書きましたが、ホントにこのひとのギターは「完成度」が高いんですよ。 特にこの曲なんて、そのクリシェにヨーロッパの「ロマ」系の香りまで漂わせて、ひょっとして、ウィーンの裏通りで聞こえて来ても違和感が無いよなフシギなギターの表情を見せてくれます(注;筆者はモチロン、Wienna など、行ったこともなく、またジプシーの音楽に「詳しい」ワケでもないので、あまり真に受けないよに!)。 アメリカン・フォーク・ブルース・フェスティヴァルの映像で、「動いてるマジック・サム」を除けば、一番の収穫ってのが、ワタクシの場合、この Lonnie Johnson 氏でございました。 なんという滑らかなギター!そして洗練されたその存在感⋯ ま、それが災いして、逆に「ブルース度」が低そうに見える、ってのもあるんですが、やはり、ギターという楽器へのテクニカルな意味合いでの習熟度みたいなもんが、他のブルースマンたちの中にあっては「浮く」くらいにとびぬけてて、それが良くも悪くも彼に対する評価に独特なスタンスを与えているように思います。 ワタクシ個人の「ブルースの世界」には「ほとんど調和しない」異質なテクスチュアが気になって、どうしても「のめりこむ」ことが出来無い対象でもあります。 そりゃね、いつ聴いても、スゲぇ⋯さすがっ!とは思うのですが、なんかワタクシとはまったく違う世界を持ってて、感心はするけど、でもそれって感動じゃないんだよな⋯ってあたりが「ワタクシの限界」なんでしょうね。 彼のブルースが嫌い、ってことはないんですが。じゃあ好き?と聴かれると「ん〜⋯」と考え込んじゃうよなソンザイ⋯ これも最初に書いたことですが、このひと、ジャズ・ファンにかなり採り上げられることが多いんですが、なんでか、そんなサイトじゃ、例の、最後の「ス」をわざと濁らせるブルー「ズ」の出現率が高いんですねえ。 ま、まともにブルースに正面から取り組んでるひとは「ズ」なんて使わないんですが、横からちょっと知ったかぶりで語るヤツはよく「ズ」を使いますね。がはははは なんてそんなこたあどーだっていいんですが、この曲でも、この造りは「ジャズ・マニアにも受けそう」だな、ってえ感じはございます。 ギターとヴォーカルで曲全体を仕切り、ピアノにソロまわしたり、ハゲましたり、とコンボ・マスターよろしく振舞っておりますが、このへんもジャズ系の方々には耳触りがいいんじゃないでしょか。 心なしか、そのヴォーカルまで、ミョーに「丸くした」テクスチュアが目立ち、ここらあたり、マニッシュなウルフあたりが好きなブルース・マニアからは軽んじられそうですねえ。そう!音域のモンダイじゃなく、その取り扱いかたが、ヴォーカルも楽器の一種、てな捉え方してるよな気がして、ブルースっちゅうよりジャズ聴いてるかたにウケるように志向してるんじゃ??? 自分でも、ってえ気にはならないんですが、その懐の広いギターの世界にはやはり圧倒されます。 イタロ・カルヴィーノの「柔らかい月」、前作(?)の「レ・コスミコミケ」よりかなり晦渋で、なかなかすんなりと読み進めません。 よりレトリックの階層性を複雑化させ、その文意を掴むために、思案すること自体が「意味世界」の錯綜を、あるいは読者の日常的な立脚点の「脆さ」を逆照射してゆくような、いささかピーキィな「諒解」を必要とする性質のもので、一ページを読むために、「レ・コスミコミケ」の三倍以上の時間がかかっているような気がします。 イタリア文学では、この手の意味論的・多層構造は好まれるのか、ウンベルト・エーコの作品にも似たような(とは言ってもかなり「浅い」ものではありますが)傾向を感じることがあります。 ま、柔らかい月、思いっきりユックリと、何度も読み返しながら進めていきましょ。 ところで市内を散歩したついでに紀伊国屋書店によって、なんとな〜く書棚を見ていたのですが、なんと!入手することを半分アキラメてたフランソワ・ラヴレーの「ガルガンチュワ物語」があるじゃないの〜! かなりホラだらけの本なんですが、そのあまりのバカバカしさに「やられちゃう」っちゅうデンジャラスな本でございます。 トイレでお尻を拭くのになにを使うのがいいのか?なんてえくっだらない考察やら、はたまた宗教とは、モラルとは?ってなちょとマジっぽい話題まで、実にヴァラエティに富んだ内容の不思議な「お話」でございます。 ・・・ん?待てよ、最初に読んだときは、その前(後だったっけ?)に「パンタグリュイエル物語」とかってのが無かったっけ?ううう、ちと混乱してるぞう。 ま、いいや、久しぶりに読んでみれば判るよね。 あ、その前にイタロ・カルヴィーノを読んじゃわないと・・・ |
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No.899